NTT、自社株6000億円消却 投資ピーク越え資金余裕
政府に売却余地、自社株買いで対応

2010/11/9付
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NTTは9日、保有する自社株式(金庫株)の約半分を消却すると発表した。同社の発行済み株式の7.97%の1億2546万株強で、簿価ベースで約6000億円に相当する。NTTでは、設備投資がピークを過ぎ、資金に余裕ができたため、などと狙いを説明している。

自社株消却とはすでに買い入れた金庫株を、消却してしまうことで、資金の出入りは伴わない。金庫株は通常、市場で売却して資金を調達したり、買収の対価として現金代わりに活用したりすることがあるが、消却によりこうした再放出の可能性がなくなる。

今回の金庫株消却により、筆頭株主の財務大臣の発行済み株式に対する保有比率が、現在の33.7%から36.6%に上昇する。

NTT法は「政府は、常時、会社の発行済み株式の総数の3分の1以上にあたる株式を保有していなければならない」と規定している。このため今回の消却で、財務相は保有するNTT株のうち約4800万株強の売却余地が生まれる計算。9日終値(3750円)で換算すると約1800億円となる。財政が切迫する中、新たな財源として注目される可能性もありそうだ。

NTTの三浦惺社長は9日午後の決算記者会見で「現時点では政府とは具体的な話はしていない。政府からは具体的な動きもない」という。そのうえで、「政府が放出することになれば自社株買いで応じたい」と話している。

NTTは政府保有株の吸収や株主配分策の一環として、自社株取得を続けてきた。その結果、現在では金庫株が発行済み株式の約16%に積み上がっていた。今年5月の時点で「今後2年かけて半分ずつを消却する」という方針を明らかにしていた。

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