/

新株価指数「JPX日経400」 資産運用、新たな選択肢

日本経済新聞社と日本取引所グループ、東京証券取引所が開発した新株価指数「JPX日経インデックス400(JPX日経400)」は、企業の資本効率を示す自己資本利益率(ROE)を主な銘柄の選定基準として活用し、投資魅力の高い企業で構成する。世界の代表的な株価指数では例のない試みで、年金資金や投資信託などの運用に新たな選択肢が生まれる。

財務状況を基準に

日本の代表的な株価指数である日経平均株価は、東証1部に上場し市場で活発に売買されている225銘柄を業種間のバランスなどを考慮して選定している。

一方、米欧やアジアの代表的な株価指数は、株式市場が評価した企業価値を示す時価総額の規模やその銘柄の流動性を示す売買代金の大きさなどを基準に組み入れ銘柄を選ぶ例が多い。株価指数を資産運用に活用する投資家が、指数に組み入れた銘柄を買いやすいという点を重視するためだ。

新指数のJPX日経400は、銘柄選定に際してROEや営業利益などを重視するという点で、他の指数とは性格が異なる。企業の評価や株の流動性だけでなく、企業の財務状況が銘柄選びに大きく反映される。

市場制度に詳しい野村証券の西山賢吾シニアストラテジストは「主要国の代表的な株価指数に企業の資本効率性が基準に含まれているものはなく、世界でも初めての試み」と指摘する。

さらに400銘柄の選定では、複数の独立社外取締役を置いているかなどコーポレートガバナンス(企業統治)への取り組みなども加味。経営への定性的な評価も取り入れ、投資家にとってより魅力の高い企業を選ぶことをねらっている。

新指数の算出は、投資家の運用の可能性を広げることになりそうだ。

年金資金に代表される機関投資家の株式運用では、株価指数の構成銘柄を指数と同じように機械的に組み入れて指数に連動した投資成績をめざす「パッシブ運用」が増えている。個別銘柄を独自に選定する投資手法では、運用会社に払う手数料に見合った成績があげにくいと考える機関投資家が増えているためだ。

日本株を運用する機関投資家の多くは現在、東証1部上場の全銘柄で構成する東証株価指数(TOPIX)を使っている。半面、同指数に連動した運用手法が果たして望ましいのかという議論が起きているのも事実だ。業績や株価が低迷する銘柄も運用対象に自動的に入ってしまうためだ。

その点、新指数は、06年を起点に試算すると、TOPIXとほぼ連動しつつも直近までのパフォーマンスは上回ることが分かる。

約120兆円の公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の改革に関する有識者会議が9月にまとめた中間論点整理は「より効率的な運用が可能となる指数」の利用を検討すべきだと指摘。例として「東証が検討中のROEも考慮した新たな株価指数など」を挙げた。

機関投資家の利用が増えれば、個人投資家にも新指数を活用した運用が可能になりそうだ。来年1月に始まる少額投資非課税制度(日本版ISA=NISA)では、主な運用手法として金融機関は投資信託などを想定している。投資魅力の高い銘柄への長期投資をねらい、新指数に連動したNISA向けの投信が登場する可能性もある。

春割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

関連企業・業界

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で申し込むログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で申し込むログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で申し込むログイン