パナソニック・ソニー・シャープ、業績回復速度に差

2012/8/3 6:14
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シャープは2日、2013年3月期の連結最終損益が2500億円の赤字になる見通しだと発表した。1951年3月期以来、62年ぶりに無配となる。同日、決算を発表したソニーは通期予想を下方修正したものの200億円の最終黒字を確保する見通し。パナソニックも最終黒字を見込む。テレビを主力としてきた3社の再建スピードに違いが出てきた。

2012年3月期決算でそろって過去最大規模の最終赤字を計上した家電3社。だが、今期に入ってからの回復力をみる限り、他の2社に比べてシャープの構造改革の遅れと収益力の低迷が目立つ。

4~6月期決算でも、その傾向はうかがえる。2日に決算発表したソニーの最終損益は依然として赤字が残った。欧米でデジタルカメラなどの販売が振るわず、携帯電話事業の完全子会社化に伴う費用もかさんだ。

もっとも、焦点のテレビ事業は販売台数が3割近く減ったなかでも、営業赤字額が前年同期の半分以下に縮小。韓国サムスン電子との合弁を解消し、パネルを外部調達に変えるなど、「収益構造転換が想定以上に進んだ」(神戸司郎業務執行役員)ためだ。

通期では欧州危機を背景とする販売減などの影響で最終損益の予想を100億円引き下げたものの、黒字は維持。これまで業績不振の主因だったテレビの赤字縮小にメドがついたことが大きい。

3社の中で、最も回復傾向が鮮明なのがパナソニック。4~6月期は最終損益が128億円の黒字と、1年前より430億円強改善した。薄型パネルの生産設備集約など構造改革の効果が400億円(営業利益の段階)に達し、収益を押し上げた。通期は500億円の最終黒字を目指す。

これに対し、シャープの4~6月期は最終損益が1384億円の赤字(前年同期は492億円の赤字)に拡大した。国内向けが中心の液晶テレビは販売台数が半減するなど苦戦。液晶パネルは稼働率低迷の影響もあって634億円の営業赤字を計上するなど、テレビ事業の採算は3社の中で唯一、悪化したようだ。

パネルから薄型テレビまで一貫生産する事業モデルの改革が遅れ、収益回復の足を引っ張っている。今回、打ち出した合理化策をテコに、収益悪化に歯止めをかけられるかが、今後の焦点となりそうだ。

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