日銀、資金供給30兆円に 固定金利オペ6カ月物新設
追加金融緩和決定 円高対策、政府と連携

2010/8/30付
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日銀は30日、臨時の金融政策決定会合を開き、追加の金融緩和策を決めた。資金を年0.1%の政策金利で貸し出す新型の「固定金利オペ(公開市場操作)」について、現行の貸付期間3カ月に加え、より長めの期間6カ月を新設。供給額を現行の20兆円から30兆円に上積みする。政府が同日、経済対策の基本方針をまとめることをふまえ、政府・日銀が一体となって急速な円高・株安による景気下振れを防ぐ。

資金供給の拡大には須田美矢子委員が反対し、8対1の賛成多数で決めた。政策金利は全員一致で従来の年0.1%に据え置いた。

日銀が期間6カ月という長めの資金を10兆円規模で市場に供給することで、期間1年以内の短期金利だけでなく、2年債利回りなどの中長期の金利にも押し下げ圧力が働くとみられる。銀行の貸出金利などにも波及すれば、企業や家計が資金を借りやすくなり、景気を刺激する効果が狙える。日米の長期金利差を背景にした急速な円高・ドル安に歯止めがかかることにも期待できる。

追加緩和決定の詳しい理由などは、日銀の白川方明総裁が30日の記者会見で説明する。白川総裁は同日中に菅直人首相と会談し、追加的な金融緩和の内容や追加緩和に至った経緯などを報告。政府と日銀が連携しながら、円高・株安に取り組んでいく認識を確認する。

日銀は公表文で「米国経済を中心に先行きの不確実性が高まり、為替相場や株価は不安定な動きを続けている」と指摘。「経済・物価見通しの下振れリスクに、より注意していくことが必要」と判断した。9月6~7日に定例会合を予定しているが、市場の混乱を防ぐために、前倒しで金融緩和に踏み切った。

日銀はなお緩やかな景気回復が続くとの基本シナリオは変えていないが、急速な円高・株安で企業収益が悪化し、企業経営者の心理などに悪影響が及ぶことへの警戒を強めている。経済や物価の下振れリスクの高まりに対応するため、積極的に金融緩和に取り組む姿勢を示すことが必要と判断した。

米国経済の減速懸念で、米連邦準備理事会(FRB)による追加緩和観測も高まっている。日銀が追加の金融緩和に踏み切らなければ、日米の金融政策運営の違いを理由にした円高が加速しかねないことも、判断の背景にあるとみられる。

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