武富士、「過払い金」の請求1兆~2兆円にも
更生法適用を申請、返還額カットへ

2010/9/28付
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消費者金融大手の武富士は28日、東京地裁に会社更生法の適用を申請したと発表した。顧客が過去に払いすぎた利息(過払い金)の返還負担が重く、自力再建を断念した。帳簿上の負債は4336億円だが、新たな過払い金の返還請求が大量に寄せられる見通しで、負債総額は大幅に膨らむ可能性がある。過払い金問題を早期収拾して事業再生を目指すものの、顧客の利息返還額はカットされる見通しだ。

清川昭社長と創業家の武井健晃副社長は経営責任をとって同日辞任し、新社長に吉田純一取締役が就任した。吉田氏は「自力再建すべく努力してきたが、社債の償還などを踏まえると更生法申請の結論に至った」と述べた。

通常の会社更生手続きでは経営陣は総退陣するが、主要債権者の同意などを前提に一部経営陣が残って再建に携わる「DIP型会社更生」を採用する。東京地裁は同日、申請を受理し、資産の保全管理命令を出し、保全管理人に小畑英一弁護士が就いた。

武富士が自力再建を断念したのは、経営体力を超える利息返還負担を抱えていたためだ。消費者金融各社は2006年1月の最高裁判決によって、過去に取りすぎていた利息を顧客に返還する義務を負う。武富士の返還請求は現在、未払い分で11万件、1700億円。ただ未請求分も含めると200万件前後、1兆~2兆円に膨らむ可能性があり、返還請求が広がれば債務超過に陥ることが確実だった。

今年6月には上限金利を引き下げたうえで融資額も制限する改正貸金業法が全面施行され、新規貸し出しも事実上停止。貸付残高はピーク時の3分の1程度にまで減り、自力での事業拡大も困難になっていた。東京、ロンドンに上場しているが、東京証券取引所は10月29日付で上場廃止にすると発表、ロンドンでも上場廃止となり、株式は100%減資する見通しだ。

今後は裁判所の管理下で債務を大幅に圧縮し、スポンサーとなる支援先を探す。ただ顧客が本来受け取ることができた過払い利息を減額することになるため、消費者金融の利用者の不満が広がりそうだ。

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