2018年11月18日(日)

低迷株価に不満続出 第一生命、初の株主総会
株主数国内最多の137万人

2010/6/28付
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「株価低迷についてどう思っているのか」「株主配当が少なすぎる」。第一生命保険が28日開いた初めての株主総会では厳しい質問が相次ぎ、ほろ苦いデビューとなった。137万人と国内最多の株主を抱える同社の総会には3096人が出席。株主の関心は、低迷する株価への対策や株主に対する利益還元策、さらには海外展開などの成長戦略に集中した。

第一生命の株価は28日、一時12万100円まで下がり上場来最安値を更新した。売り出し価格14万円を下回る状況が続き、大半の株主は含み損を抱える状態となっている。こうした個人株主らの不満が総会で噴出した。

第一生命保険の株主総会に向かう株主たち(28日午前、千葉市美浜区)

第一生命保険の株主総会に向かう株主たち(28日午前、千葉市美浜区)

総会では19人の株主が発言。株価対策や具体的な海外展開の計画に関する質問、あるいは株主優待制度の創設や株主配当の上積みを求める声が聞かれた。開催時間は2時間48分に及んだ。

株価低迷への批判について渡辺光一郎社長は「愛のむちと受け止め、成長分野への取り組みをしっかり進めたい」と答えた。中国への早期進出や積極的なM&A(合併・買収)、好調な銀行窓口での保険販売などの成長戦略を説明。5~10年後にはこうした国内外の成長分野で連結利益の30%を稼ぎ出す方針を示し、株主の理解を求めた。

一方、渡辺社長は生保の企業価値を示す指標(エンベディッド・バリュー=EV)への理解が広まっていないことを背景に、「当社の等身大の評価がまだ得られていない」として株価低迷へのいら立ちものぞかせた。

EVは株式など生保の保有資産の価値と保有契約から将来生み出される利益を合計したもの。理論的には企業価値を示すEVの増減は株価を左右する。売り出しの株価14万円も2009年9月末のEV(2兆5057億円)が算出根拠の一つとなった。だが、10年3月末時点のEVが2兆8363億円と9月末と比べて3000億円ほど増加したにもかかわらず、株価は上向かないままだ。

同社はEVの増加が正しく理解されていないことが株価低迷の一因と判断。「IR(投資家向け広報)活動を充実してEVの理解が広まるように努力したい」(渡辺社長)としている。

だが、一般の株主は複雑な指標の説明よりも明確な成長戦略を聞きたいところ。懸案の中国進出などで結果を出さなければ、来年の株主総会でも厳しい質問が出そうだ。

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