年越すお札、最高の86兆円 2011年末に比べて3.1%増加
日銀は28日、家庭や企業、金融機関の金庫などで年を越すお札(日銀券)の合計が86兆円となり、過去最高を更新したと発表した。2011年末に比べて3.1%増加した。冬のボーナス支給や正月休暇を控えた年末は、現金需要が高まりやすい。年越しのお金が過去最高を更新するのは3年連続となる。
銀行券は1990年代半ば以降、増加を続けている。低金利を背景に銀行の預金に預ける動きが鈍り、タンス預金が増えていることが背景にあるとみられる。人口1人当たりで換算した現金保有は約70万円程度で、平均的な世帯人数を4人とすると、一世帯に約280万円の現金が保有されている計算になる。
JPモルガン証券の足立正道シニアエコノミストは「低金利に加えて、デフレの長期化で物に対するお金の価値が上がっていることも、人々が現金を手元に置きたいという志向を強める背景にある」と指摘する。