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みずほ暴力団融資「問題意識欠ける」 第三者委

報告書公表

(更新)
みずほ銀行の暴力団融資問題について「自行の債権であるという意識が低かった」と指摘する第三者委員会の中込委員長(28日)

みずほ銀行の暴力団融資問題について「自行の債権であるという意識が低かった」と指摘する第三者委員会の中込委員長(28日)

みずほ銀行が暴力団員らへの融資を放置していた問題で、同銀の第三者委員会(委員長・中込秀樹弁護士)は28日、調査報告書を公表した。原因について「組織として反社会的勢力との取引を遮断する問題意識が欠けていた」と指摘。信販会社を通じた融資で「自行の取引という意識が希薄」だったうえ、組織の意思疎通が不足し、長期の放置につながったと分析した。組織的な隠蔽や特定の暴力団との癒着はみられないと断定した。

第三者委の中込委員長が同日都内で記者会見し、「組織として(問題を)見過ごす体制だった」と同行の管理体制を批判した。佐藤康博頭取と塚本隆史会長(前頭取)が問題融資を把握していたかについては「報告資料に数行記されていた程度で認識は到底無理だ」と述べたが「管理・監督責任はある」と指摘した。

みずほ銀は2010年12月にグループ信販会社のオリエントコーポレーション(オリコ)との提携ローンを通じて暴力団員らへ約230件、約2億円を融資していたことが社内で発覚。2年半にわたって取引解消などをせずに放置したとして、今年9月に金融庁から業務改善命令を受けた。

同行は金融庁検査で「問題融資を把握していたのは担当役員止まり」と説明したが、10月の社内調査で10年当時の西堀利頭取も実態を把握していたことが判明。10月8日に佐藤頭取が記者会見し「金融庁への説明と異なる事実が発覚した」と謝罪した。中込氏ら弁護士3人で構成する第三者委は、問題融資を放置した経緯や、金融庁の検査結果と違う事実が出てきた経緯を調べてきた。

第三者委が分析した経緯では、10年9月にオリコを関連会社化した際、当時の西堀頭取が自行でも提携ローンの審査を実施するよう法令順守の担当部署に指示。10年末には提携ローン108万件のうち228件の問題融資があることが判明し、西堀頭取にも報告された。

ただ、みずほ銀では11年3月に大規模なシステム障害が発生。法令順守担当部署が障害対策に追われ、問題融資の取引解消を進める意識が「相対的に低下した」ことも加わって、事実上の放置につながったという。西堀元頭取は11年6月に辞任し、後任には持ち株会社社長だった塚本氏が就いたが「問題を承継せず、塚本氏は認識するに至らなかった」と、引き継ぎなど組織の意思疎通が不十分だったと指弾した。

みずほ銀行の暴力団融資問題について記者会見する第三者委員会の中込委員長(中)ら(28日、日銀本店)

みずほ銀と持ち株会社の取締役会やコンプライアンス委員会には、問題融資の一部を記した関連資料が計8回提出されたが、自行の取引との意識が低く「グループ会社の与信取引」などと記載。取締役会などで議論された形跡もなかったという。第三者委は「反社会的勢力との関係遮断に組織として取り組む重要性の認識が、役職員に不足している」と批判した。

みずほ銀が金融庁検査で「経営トップには報告していない」と事実と異なる回答をしたことについては、「一担当者の記憶のみに依拠して回答した」と指摘。意図的に隠蔽した事実はないものの、過去の担当者らを組織的に調査しなかった落ち度があったと分析した。

みずほ銀は第三者委の報告書を受け、28日午後に社内処分を含む業務改善計画を金融庁に提出する。処分は現役とOB合わせて54人にのぼる見通しで、塚本会長が辞任するほか、佐藤頭取は半年間無報酬とする。塚本氏は兼務する持ち株会社の会長職は続投する。常務執行役員以上の全役員は減給とする。中込委員長は処分案について「軽いとは思わない」と述べ、一定の評価を下した。

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