2019年4月20日(土)

経団連、民主党政権と対話強化 米倉新会長を選出

2010/5/27付
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定時総会で握手する経団連の米倉新会長(左)と御手洗前会長(27日午後、東京・大手町)

定時総会で握手する経団連の米倉新会長(左)と御手洗前会長(27日午後、東京・大手町)

日本経団連は27日の総会で、新会長に米倉弘昌住友化学会長(73)を選出した。米倉氏は総会後の記者会見で「政府との政策対話を積極的に推進したい」として、民主党政権との関係強化を訴えた。また最重点課題として「成長戦略の早期実現と税財政・社会保障の一体改革」を掲げ、前会長の御手洗冨士夫キヤノン会長(74)の路線継承を強調した。

政権交代直後の民主党は支持母体である連合との関係を強化。長らく自民党と蜜月関係にあった経団連と明確に距離を置いていた。だが「年明けごろから民主党議員の水面下のアプローチが急増した」(経団連幹部)。特に民主党が6月に予定する成長戦略の具体策づくりでは経済産業省の政務三役らと活発に意見交換したもようだ。

鳩山由紀夫首相も総会を訪れて「世界経済が大揺れに揺れるなか、高い指導力を発揮したことで日本も明るさの見える状況になってきた」と御手洗氏を慰労。米倉氏には「アジアに日本あり、と日本経済をけん引してくれると期待している」とエールを送った。

ある経団連幹部は「民主党との間に壁はない」と強調する。米倉氏も記者会見で「政策提言を通じ、民主党も経団連との対話の必要性を感じ始めている」と述べ、自信をのぞかせた。

ただ産業界が反発する地球温暖化対策基本法や労働者派遣法改正などの重要法案について、経団連の意見はほとんど聞き入れられないまま国会で審議入りした。政策への影響力を回復したとはいえない状況だ。

経団連は3月に政策評価を通じた企業・団体献金への関与を中止。今後も「一切かかわらない」(米倉氏)方針だ。献金という武器を持たないまま、米倉経団連が民主党との関係を改善させ、政策提言を実際の政策に反映させるために示した道筋は2つある。

1つは政策提言能力の強化だ。政策検証委員会を新設し、経団連の政策提言がどの程度反映されたか、反映されなかった場合はどうすべきだったかなどを検証する仕組みをつくった。結果を基に改善を重ねて提言の質を上げる狙いがある。

もう1つは国民世論の喚起だ。米倉氏は「経団連は大企業寄りの提言を出すといった見方をされる面も多い。提言を分かりやすい表現で発信することで国民の共感を得たい」と述べた。民主党の政策決定に影響力を持つ世論を味方につけることで、政策実現を目指す。

ただこうした取り組みは容易でない。経団連が主張する消費税率引き上げは国

定時総会で握手する経団連の米倉新会長(左)と御手洗前会長(27日午後、東京・大手町)

定時総会で握手する経団連の米倉新会長(左)と御手洗前会長(27日午後、東京・大手町)

民に痛みを伴う。法人税実効税率の引き下げは"大企業寄り"とも受け取られかねない。「財界総理という言葉は一番嫌い。私は庶民派」という米倉氏がどう提言を国民に語りかけ、政策に反映させる道筋をつくるのか。化学業界で国際経験の豊富さと剛腕で知られた手腕が問われる。

経団連は同日の総会で新副会長に川村隆日立製作所会長(70)、坂根正弘コマツ会長(69)、三浦惺NTT社長(66)、中村芳夫経団連事務総長(67)の4人を選出。留任した14人を加えて副会長は18人体制で、過去最多になる。助言機関の評議員会議長には渡文明JXホールディングス相談役(73)が就いた。

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