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消費増税点検会合1日目、出席者の主な発言

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2013/8/27付
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消費増税の影響を検証する政府の集中点検会合が26日始まった。初会合後、出席した有識者が記者団の質問に応じた。主な発言は以下の通り。

■岩田一政・日本経済研究センター理事長

日本経済研究センターの試算では、従来の予定通りに2014年4月に消費税率を3%上げた場合の14年度の成長率は0.2%とかなり低い。そのままだと、(15年10月に予定する)次の2%を上げることができなくなるのではないか、と申し上げた。その場合は法人税の復興のための付加部分(2.6%)を1年前倒しして廃止、自動車重量税・取得税も14年度に廃止し、低所得層を中心に2兆円の一時的な所得減税を実施したらどうかと提案した。

(1)2%と3%の2段階(2)毎年1%ずつ(3)15年4月に5%上げ軽減税率を入れる――との3つの案についてシミュレーションした結果を報告した。消費に与えるマイナス効果が最も小さいのは(2)だが、税収は(1)と比べると減ってしまう。デフレ脱却を優先順位に考える場合は、法律の改正や実務上の問題という困難はあるが、(2)が望ましい。

(2)の場合も税収がそれほど上がらないことを考えると、20年度の財政再建目標を守るために、歳出削減や成長による増収によって目標が達成できない場合は、18年度以降もさらに1%上げることを検討するよう提案した。

1%ずつ上げる場合も(経済的な)マイナス効果はある。3~4年後はどのケースでも19~20年ごろには個人消費は2%ほど落ちる。その途中を比較すると、1%ずつだと最も消費減が少ない。

海外投資家は消費税についてやはり一度公約したことはきちんと実行できる政府であるかどうかをみている。消費増税を延ばすことはあり得ない。ただ税率の上げ幅やタイミングについてはあまり問題にしてはいない。私が会った投資家は「1%ずつでも最終的に5%上がるのであればよい」と考えているようだった。

■古賀伸明・連合会長

(消費増税は)前提条件付きの賛成だ。メリット・デメリットが色々あり、加えて社会保障と税の一体改革の骨格というのは最初、連合としても集中検討会議などあらゆる会議で意見の反映に努め、一定程度の主張が入った。基本的にはあの法案に沿ってやっていくことが我々のスタンスだ。

だが、ここへきていくつか前提がある。1つは社会保障と税の一体改革と言っているにも関わらず、増税だけの話となっている。社会保障を将来的にどういう風にやっていくか、残念ながら国民会議の報告書でも明確になっていない。国民の不安は払拭できない。片方で公共事業が増大して、国民会議の報告書も負担増、給付削減がめだつ。そうなれば「社会保障カット・公共事業増」のように国民が受け止める可能性も十分ある。

2点目は、雇用の問題。就業者の9割を日本は雇用労働者が占める。雇用が安定し、適正な処遇を受けることで社会保障制度も成り立つ。新しい雇用の創出が最初に行わなければならないのに、それを置き去りにして労働移動支援策への転換や、雇用・解雇ルールの規制緩和、労働分野の規制緩和が議論されていることについて、国民は不安に思う。社会全体が不安になれば消費増税にも否定的にならざるを得ない。

3点目は増税したときの様々な課題。たとえば低所得者に対する対策だとか、駆け込み需要から消費が落ちる事への対策を万全にしなければならないし、所得税・資産課税の累進制、所得の再配分機能をより強化するような策を一緒に出すべきではないか。

4点目は、法案作りの時に「国民に負担を押しつけるなら自らが身を切らなければならない」として3党合意した国会議員の定数削減。どうも棚上げになっているように思う。これらのことはすぐに解決できないものもあり、議論して方向付けしてほしいと申し上げた。

(前提条件は)これがずれてるから0点というものではないので、方向付けが議論されるというのであれば、法案通りに実施していくべきだというのが基本だ。

(増税の)影響が大きくなる部分については手当てをしなければならない。駆け込み需要でも、低所得者をどうするかも含めて手当てを打たなければならない。

(連合内では)法案を通したときにきちんと組織で論議して賛成してきた。675万人に1人1人聞いていけば違いはあるが、大きな方向については確認をしていると認識している。

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