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生保、金利乱高下に苦慮 一部に国債回帰の動き

大手生命保険会社が乱高下する債券相場に苦慮している。長期金利上昇に伴う金利収入増を重視する一部の生保が国債投資に回帰する一方、振れが激しい国債市場での売買を手控える動きも出ている。24日に出そろった2013年3月期決算は大半の生保が増益となったが、今期は不透明な市場での運用の巧拙が業績に大きな影響を与えそうだ。

契約者から預かった保険料を長期運用する生保は債券の短期売買よりも長期保有による利子収入を重視する。「今の水準なら日本国債に資金を振り向けられる。外債に向ける資金の一部を国債に回すことも考える」。24日の決算発表会見で明治安田生命保険の殿岡裕章副社長はこう語った。

4月の日銀の金融緩和で長期金利の指標となる10年物国債の利回りは一時0.3%台まで低下。国債主体の運用では保険金支払いに必要な利回りをあげにくいと見込んだ同社は、外債投資を今期に5000億円程度積み増す方針だった。

それが足元では、生保の主要な運用対象である20年物国債の利回りが1.7%前後と12年度並みの水準まで上昇。国債に投資しやすい環境が整いつつある。住友生命保険の松本巌運用企画部長も同日の会見で「今の水準が続けば、国債を増やし外債の残高は据え置くこともできる」との考えを示した。

国内金利の上昇で日米金利差が縮小すれば、為替リスクを背負ってまで外債投資に動くかは判断が分かれる。財務省の統計でも、生保などの国内投資家は5月中旬に外債を4週間ぶりに約9000億円売り越した。

長期金利上昇は債券価格の下落を意味し、短期的には生保経営にマイナスに働く面もある。金利水準が1.1~1.4%まで上昇すれば、主要生保は保有する国債に含み損を抱える。ただ、生保業界の会計ルールでは満期保有を前提に国債を持てば含み損を処理する必要はない。緩やかな金利上昇なら金利収入の増加のプラス面の方が大きいとの見方が多い。

もっとも、日銀が大量の国債を市場で購入し、長期金利が大きく変動している現状は生保にとって好ましい事態ではない。日本生命保険の大関洋財務企画部長は24日、「今は流動性が少し落ちており、一般的に国債に手を出しにくい」と指摘。三井生命保険の杉本整運用統括部長も4月から5月にかけて、国債の買い増しペースを落としていると明かした。富国生命保険は国債の売買が円滑にできるようになるまでは、国債の積み増しを急がず現預金で保有する。

国内外の金利動向が読みにくい中で、生保は機動的に運用方針を変えながら、利回りを高めていく難しい運用を迫られている。

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