政治に屈した日銀、3つの誤算 「ゼロ回答許されぬ」

(1/2ページ)
2012/12/22 0:54
保存
共有
印刷
その他

日銀が政策姿勢の大転換を迫られている。自民党の衆院選圧勝で、同党の安倍晋三総裁が求める「2%」の物価上昇率目標を丸のみした。中央銀行の生命線とされる「独立性」を犠牲にしてまで満額回答せざるを得なかった背景には、3つの誤算があった。金融政策は未踏の領域に入る。

誤算1 自公が3分の2超

「もうゼロ回答では許されない」。自民党が公明党と合わせ定数の3分の2を超す圧勝を収めた衆院選から一夜明けた17日。日銀のある審議委員は緊張した面持ちで周囲に漏らした。

自公が衆院で3分の2超の議席を確保したことは日銀にとって最大の誤算だった。民主党が多数を占める参院とのねじれ国会は実質的に解消される。安倍氏の唱える日銀法改正が現実味を増す。

16日の投開票日まで、日銀は「自公で3分の2超はない」とみていた。過半数をとった自民党が政権に返り咲いた後にじっくり協議し、来年1月の金融政策決定会合で政権との協調を演出すればよい……。こんなシナリオを描いていた。

「衆院選を踏まえた判断を期待する」。圧勝で自信を深めた安倍氏は17日、日銀のシナリオを一蹴するように19~20日の金融政策決定会合での議論に口を挟んだ。「明確な意思を持った口先介入だ」。日銀幹部らは反発した。だが、20日には物価目標の導入検討を表明し、10兆円規模の追加金融緩和を決めざるを得なかった。

「大胆な金融緩和に協力しなければ、日銀の独立性が大きく損なわれる。それだけは避けなければ……」。ある日銀の有力OBはいう。日銀が今回、政治の圧力に屈したのは明白で、独立性を事実上、失ったようにもみえる。だが、日銀が最後のとりでとして守りたかったのは、金融政策の独立性というよりは、政治による人事介入からの独立性だという。

  • 1
  • 2
  • 次へ

電子版の記事が今なら2カ月無料

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]