日銀、民間貸し出しに低利供給 海外向け融資、円安誘導も

2012/12/21付
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 日銀は20日、民間への融資を増やした銀行に無制限で資金を供給する新しい貸出増加支援制度を創設すると正式に発表した。年間15兆円規模の供給量を見込んでいる。海外向けの融資も制度の対象とし、日銀から得た円資金をドルなどに転換する動きが進むことで、円高是正効果を見込んでいるのが特徴だ。

 白川方明総裁は20日の記者会見で「成長力の強化につながる民間の前向きな資金需要を最大限サポートする」と狙いを述べた。

 新制度は、金融機関が民間への融資を増やせば増やすほど日銀から低利で資金を得られる仕組み。日銀は事実上のゼロ金利政策を敷いているが、企業の設備投資などが落ち込んでおり、実体経済にマネーがまわっていない。銀行が新制度を使って積極的に融資先を掘り起こすようになれば、前向きな民間投資が促されるとの考えがある。

 新制度では年0.1%で最長4年まで借り換えが可能。資金供給の総額の上限は決めず「無制限」とする。貸出期間は2013年1月から14年3月までの15カ月間で、四半期に1回の頻度で実施し、1回目の融資は13年6月ごろとする。

 供給額は四半期ごとの金融機関の融資残高が、基準時点とする今年10~12月期と比べてどれだけ増えたかを算出して決める。日銀によると、最近1年間の金融機関の貸出増加額は全体で約15兆円で、新制度で同額規模の資金供給ができる見通し。

 新制度では外貨建てや海外企業向けの貸し出しなど、幅広い融資先を支援制度の対象と認めた。白川総裁は「邦銀の国内融資の伸び率は前年比1%程度だが、海外向けは2割も増えている」と述べ、むしろ海外融資を後押しする色彩が強い。

 新制度で海外融資がさらに増えれば、日銀から得た円資金を売ってドルなどの外貨を買う動きが進み、結果として円高を是正する効果があるためだ。外資系金融機関を通じてヘッジファンドなど向けに資金が流れ、低金利の円を元手に高金利通貨などに投資する「円キャリー(借り入れ)取引」が活発化し、一段の円安を促すとの指摘もある。

 ただ「海外の金融機関を取り巻く規制環境は厳しい。リスクを伴う融資を積極的に増やすのは難しく、円高是正効果は限られる」(バークレイズ銀行の山本雅文ディレクター)と指摘する声もある。

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