みずほ銀、決済処理作業「5時間遅れ」 システム障害
20日予定分、半分しか進まず 連休明け復旧へ正念場
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システム障害の復旧を進めているみずほ銀行は20日午後5時に記者会見し、「処理作業が5時間ほど遅れている」と発表した。同日は16~17日に積み残した12万件の決済処理を終える予定だったが、作業は半分しか完了していない。21日は給与振込など66万件を処理する予定。連休明けの復旧に向けヤマ場を迎える。
柏崎博久常務執行役員は会見で「システム向上に時間がかかり、次の処理を始めるのが遅れた」と説明した。最大116万件に膨らんだ未決済処理は19日までに78万件に減少。システム障害の発端となった15日分の38万件は完了し、20日は12万件を処理する予定だった。
14日 | 大量振込原因に障害発生 |
15日 | 未処理件数が38万件と判明 |
16日 | 未処理は6万増の44万件に |
17日 | 未処理は6万増の50万件に |
18日 | 給与振込など66万件が上乗せ |
未処理は最大116万件に | |
19日 | 全ATM停止。未処理は78万件に |
20日 | 決済処理の作業に大幅な遅れ |
ただシステム変更に時間がかかり、20日夕時点で17日分の6万件は手つかずのまま。みずほ銀は「急いで進める」と説明するが、これが終わらないと21日に予定する66万件の処理に手が回らない状況だ。
15~17日に処理できなかった合計50万件は企業の資金決済から個人の公共料金引き落とし、給与振込まで多岐にわたる。同行は「ATMやインターネットなど様々な経由で振り込まれており、決済処理に時間がかかる」としている。一方、給与振込は「定型化された作業なので数は膨大でも処理しやすい」という。17日分の積み残しが早く済めば給与振込の処理作業に移れるが、現状ではギリギリの局面だ。
全ATMを休止した代わりに臨時に開けた営業店舗では20日、6万9000人が37億円の現金を払い戻したという。前日とあわせると15万4000人が合計86億7000万円を引き出した。