2019年1月18日(金)

国債利回り、2年低下・10年以上上昇 景気期待で変化

2012/3/20付
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日本国債の利回りの構造がじわりと変化してきた。日銀の2月の追加金融緩和以降、期間が比較的短い2年債利回りが下限とされる年0.1%まで低下する一方、長期金利の指標となる10年債利回りは上昇し、節目の年1%を超えた。景気回復期待が長めの金利を押し上げている構図だが、消費増税論議が暗礁に乗り上げ、日本の財政問題に投資家が注目すれば、長期金利はさらに上振れする可能性もある。

国債利回りを満期までの期間ごとにみると、利回りの低下(債券価格は上昇)が鮮明なのは2年債だ。今年初めの年0.125%から2月中旬には事実上の金利の下限とされる年0.1%まで低下。その後も年0.11%近辺に張りついている。

日銀が2月14日、資産買い入れ基金を10兆円増額する追加金融緩和を決定。残存期間1~2年の国債購入を増やしたため、2年債利回りは低下(価格は上昇)した。円相場に影響する2年債利回りを下げ、円買い圧力を抑える日銀の戦略は、その後の円高修正の動きを見てもひとまず成功している。

一方、2年債と対照的に上振れが目立つのが満期5年以上の国債利回りだ。10年債は1月下旬以来、年1%を下回る水準で低位安定していたが、3月15日に一時年1.060%と約3カ月半ぶりの水準まで上昇した。

期間がさらに長い20年債利回りは同日、年1.8%台に乗せた。国債利回りを期間ごとに延ばした「利回り曲線」は、この1カ月で短めの期間が下がり、長めが上がる形で傾きが急になった。

期間が長めの利回りが急上昇してきたのは、景気回復期待が一因だ。欧州債務危機の一服や米景気の回復期待を背景にした欧米金利の上昇に連動している面もある。

日経平均株価は約8カ月ぶりに1万100円台を回復。米国債の10年物利回りは一時、年2.3%と約4カ月半ぶりの水準まで上がった。ドイツ国債の利回りも上昇し、節目とされる年2%を突破した。株などのリスク資産から、安全資産とされる国債に逃げ込んでいたマネーの巻き戻しが起きている。

ただ20年債や30年債といった「超長期国債」の利回りは、財政状況など長期的な構造問題の影響も受ける。足元の原油高もあって、過度な金融緩和による将来のインフレ懸念が日米欧の長めの長期を押し上げる一因になっている可能性もある。

今のところ日本の財政悪化を懸念して国債を売る「悪い金利上昇」の気配はないが、仮に経常収支が年度で構造的に赤字に転じれば、国債消化は海外投資家の影響を受けやすくなる。

日銀の金融緩和で期間が短めの金利は低い水準に抑えられているが、海外投資家が日本の財政再建に疑問符をつければ、期間が長めの国債利回りには上昇圧力がかかる。

市場では「公的債務が膨張しているだけに、金利が反転上昇局面に入ると、思わぬ急上昇となる恐れもある」(BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミスト)との見方も出ている。

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