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中小に5200億円の返済負担 厚年基金改革法が成立

企業年金の一種である厚生年金基金制度の改革法が19日、成立した。9割の基金に解散を迫る。国から預かる資産にも穴が開く「代行割れ」基金が解散する場合、母体企業が損失の手当てをしなければならない。約3万の事業所に約5200億円の負担がのしかかる計算だ。中小企業が大半で、財務状況は弱い。回復傾向にある景気の足を引っ張る可能性もある。

改革法は19日午前の参院本会議で自民、公明、民主各党などの賛成多数で可決、成立した。来年4月に施行する見通しだ。厚年基金の新設を認めず、既存の基金は解散か他の企業年金への移行が求められる。一定の基準を満たす1割の基金は存続が認められるが、下回れば厚生労働相が解散命令を出せるとした。

改革法の成立を受けて、30億~40億円の代行割れを抱える全国光学工業厚生年金基金は来年4月以降に解散できるよう動き出した。問題はこうした、国に返還しなければならない代行部分にも穴を開けている代行割れ基金だ。約560の全基金のうち3割を占める。厚労省は2013年度末時点で仮に日経平均株価が1万3千円になった場合、代行割れは約160基金で代行割れ額は約5200億円になると試算する。

厚年基金は複数の事業所が共同でつくる総合型が大半だ。代行割れ基金の母体企業の数は約3万にのぼるとみられる。1企業当たりの平均の負担額は約1700万円だ。代行割れ基金は来年4月から5年以内に解散しなければならない。母体企業は解散した時点で、年金債務を期中に特別損失として計上しなければならない。上場企業の場合、業績を一時的に落とす要因になる。

実際の国への返納は改革法で、分割払いが現行の15年から30年に延長が認められた。ただ、返済途中で企業が倒産すると、厚年基金とは無関係の会社員が払う厚生年金保険料で補填しなければならない。今後、株価が低迷すれば、代行割れの額も膨らむことになる。改革法が施行しても問題はなお残る。

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