再生支援機構、受け付け終了 成否かかる日航再上場

2011/10/14付
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官民ファンドの企業再生支援機構の設立から2年がたち、14日に支援申込期間が終了した。地域の中堅・中小企業の再建を目的に設立されたが、目玉案件は日本航空。3500億円を出資するなど支援規模はほかの案件に比べ桁外れに大きい。全事業に充てた公的資金を回収して利益を残せるかどうかは日航の「出口戦略」にかかっている。

■決定案件は19件 これまでに機構が支援を決めた事業再生案件は19件。受け付けの手続きを済ませた企業に限り、来年4月までは支援を受けることができる。内閣府によると、機構は14日時点で46件を受け付けており、正式な審査を通った一部の案件については追加で支援を決める。

機構は3兆円の支援枠を持つが、出資や債権の買い取りといった現在の支援総額は約6200億円。ただ日航を除けばわずか760億円で、機構は当初の目的だった中小事業者の支援より、日航再建に経営資源を費やしたことになる。

日航は5000億円を超す債権カットや人員削減で経営コストを大幅に圧縮。大震災直後の4~6月期も171億円の営業利益が出るスリム体質になった。企業再生支援委員長の瀬戸英雄弁護士は「当初は二次破綻などのリスクもささやかれたが、機構の再建策は成功だった」と安堵する。

■市場環境は悪化 ただ、機構は支援決定から原則3年以内に再建を完了して保有債権を第三者に売却するよう決められている。日航株も13年1月までにすべて売却する予定だが「市場環境がとにかく悪い」と機構内には懸念が強まる。

最有力の「出口」は再上場だが、欧州債務危機で株式市場は低迷。3500億円の出資金が回収できなければ、ほかの18案件が"小粒"なだけに全体の収支を穴埋めできず、機構事業そのものが失敗に終わりかねない。

ささやかれるのは日航の支援延長論だ。関連法の文言は、3年以内に支援完了するよう「努めなければならない」などと"抜け道"があり、経済環境の悪化などを理由に支援を延ばすことが可能だ。政府・民主党も大震災で生じた二重ローン問題に対応するため、被災企業のローンを買い取って事業再生する受け皿組織として同機構を再活用する案を検討したこともある。支援申請は終了したが、機構自体の出口はまだ見えない。

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