2019年2月19日(火)

日銀、物価上昇1%めど 安定目標の表現変更

2012/2/14付
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日銀は14日の金融政策決定会合で、追加金融緩和を全員一致で決めた。国債などを買い入れて資金供給する基金の規模を10兆円増やし、65兆円とする。増額分はすべて長期国債の買い入れに充てる。日銀の追加緩和は昨年10月以来。同時にデフレ脱却に向けた物価の目標について表現を変更し、金融政策で目指す物価上昇率を「中長期的な物価安定の目途(めど)」(Price Stability Goal)として公表することも決め、消費者物価上昇率で「当面は1%」とした。

決定会合の決定内容 骨子
  • 「中長期的な物価安定の目途(めど)」を導入
  • 中長期的には消費者物価の前年比上昇率で2%以下のプラス。当面は1%をめど
  • 資産買い入れ基金を55兆円程度から65兆円程度に増額
  • 政策金利を年0~0.1%程度に据え置き

資産買い入れはこれまでと同様、2012年末をめどに完了するとした。政策金利を年0~0.1%とする事実上のゼロ金利政策は維持した。白川方明総裁が同日午後3時半をめどに記者会見し、追加緩和の詳しい背景を説明する。

日銀が追加緩和に踏み切ったのは、デフレが長引く中で歴史的な円高が定着し、日本経済にとって厳しい環境が続くと判断したためだ。13日発表の11年10~12月期の実質国内総生産(GDP)は2四半期ぶりのマイナスに転落。東日本大震災からの復興にも遅れが出ているとの指摘が出ていた。

米連邦準備理事会(FRB)が1月下旬に事実上のゼロ金利政策を「少なくとも2014年終盤まで続ける」と明示し、長期的な物価目標(ゴール)として「2%」を明確に打ち出したため、与野党の一部から日銀に追加緩和や「物価目標」の明示を求める声が出ていた。

日銀は14日公表した発表文で「物価安定の目途」は「中長期的に持続可能な物価の安定と整合的な物価上昇率」と指摘。消費者物価の前年比上昇率で「2%以下のプラスの領域にあると判断しており、当面は1%をめどとする」とした。

日銀はこれまで政策委員が望ましいと考える物価上昇率を「中長期的な物価安定の理解」として公表。直近は「2%以下のプラスの領域にあり、中心は1%程度」としていたが、FRBに比べて分かりにくいとの指摘が出ていた。

公表文では「当面1%を目指して、それが見通せるようになるまで、実質的なゼロ金利政策と金融資産の買い入れ等の措置により、強力に金融緩和を推進していく」と強調した。日銀は1月に公表した政策委員の見通しの中央値として、物価上昇率が12年度は0.1%、13年度は0.5%にとどまるとみており、市場ではゼロ金利の長期化を予想する声が出ている。

景気の現状は前月と変わらず「横ばい圏内の動き」と指摘した。先行きは欧州債務問題や電力需給、円高など「不確実性が大きい」と強調した。

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