2019年2月22日(金)

財政健全化、成長に配慮し推進を IMF声明
日本に赤字国債発行法案の早期成立求める

2012/10/13 20:25
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国際通貨基金(IMF)の諮問機関である国際通貨金融委員会(IMFC)は13日、世界経済の減速に強い懸念を表明する共同声明を採択した。先進国に対し、財政健全化などの構造改革を成長に配慮して進めるよう要請。日本には赤字国債発行法案の早期成立を求めた。ラガルドIMF専務理事は同日の記者会見で、日銀の追加金融緩和に期待感を示した。

13日は世界銀行とIMFの合同開発委員会も開催。48年ぶりに東京で開いたIMF・世銀年次総会は主な日程を同日で終え、14日に閉幕する。

共同声明は世界経済の現状に「減速し、著しい不確実性と下振れリスクが残る」と警戒感を表明。財政健全化などの政策課題について「効果的かつタイムリーな実施が重要」と指摘した。先進国の財政再建に軸足を置いていた姿勢を修正。世界経済を成長軌道に戻すため「断固として行動する必要がある」と各国に協調を呼びかけた。

焦点の欧州情勢では、欧州中央銀行(ECB)が南欧国債の買い取り制度を打ち出したことなどを歓迎。債務危機の克服や通貨統合の強化に向け、ユーロ圏の金融監督を一元化する銀行同盟の発足や財政統合、雇用創出に向けた構造改革など一段の取り組みを欧州に促した。

米国には年末以降の減税打ち切りと大型の歳出削減で財政の急激な引き締めが生じる「財政の崖」を回避するよう要請。債務上限の引き上げや、財政の持続可能性を確保する包括的な計画づくりも不可欠と指摘した。

日本には「今年度予算の財源の確保が必要」として、赤字国債発行法案の確実な成立を求めた。ラガルド氏は記者会見で消費増税法の成立を「非常に重要なステップ」と評価。金融政策では「日銀は必要に応じて追加緩和する用意があると信じている」と期待感を示した。

新興国・途上国について、声明は食料高に対応した金融引き締めが景気減速の原因と分析。食品以外の商品価格は下落するなど「リスクが複合している」と指摘した。成長を維持するために金融・財政政策を柔軟に活用する必要を訴えた。

IMFの出資比率見直しなど新興国の発言力を高める改革については「かなり進展した」と評価。ラガルド氏は「あと1、2カ国が承認すれば実現できる」と指摘し、議会での承認が遅れている米国に早期の対応を求めた。

国際通貨金融委員会(IMFC)の共同声明のポイント
○世界経済は減速し、著しい不確実性と下振れリスクが残る
○欧州安定メカニズム(ESM)の発足を歓迎するが、さらなる措置が必要
○米国は「財政の崖」の解消、債務上限の引き上げが不可欠
○日本は今年度予算の財源確保と中期的な財政健全化の進展が必要
○出資比率見直しなどIMF改革の緊急性を再確認。加盟国に手続き完了を求める

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