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長い就活の解消遠く 経団連要請に拘束力なし

13年春から「説明会、大学3年12月以降」

日本経団連は12日、大学新卒者の就職活動の見直しを会員企業に要請すると発表した。2013年4月の入社予定者から対応を改め、会社説明会やインターネット登録を大学3年(大学院は修士1年)の12月1日以降に始めるよう求める。就職活動の早期化や長期化を避けるため、開始時期を2カ月程度遅らせる。試験や面接の変更は見送り、現在と同じ大学4年(修士2年)の4月1日以降に実施する方針も確認した。会員企業の反発が強く、妥協を迫られた格好だ。

見直しの対象は会社説明会の開催やホームページでの登録受け付けといった広報活動。これまでは大学3年の10月ごろから始めるケースが多かったが、開始日を12月1日に設定する。会社説明会より早く実施し、就職活動の事実上のスタートともいわれるインターンシップ(就業体験)にも、自主規制を設ける方向だ。就職活動の指針を示す経団連の倫理憲章を3月末までに改定する。

企業の大半反発

就職活動を巡っては早期化や長期化の流れが強まり、学業に支障を来すとの批判が出ていた。日本貿易会は昨年11月、広報活動を大学3年の2月以降、試験や面接などの選考活動を大学4年の8月ごろに遅らせるよう提言。経団連も具体案を検討してきた。

ただ会員企業約40社で構成する就職問題の分科会では、大半の企業が今の日程に沿った選考活動を支持した。「中小企業の人材確保が難しくなる」「理系人材の卒業研究に支障が生じる」といった反発が強く、広報活動だけを2カ月程度遅らせることで妥協した。

米倉弘昌会長は12日の記者会見で「多くの企業が守れる最大公約数を選んだ」と語った。日本貿易会の槍田松瑩会長(三井物産会長)は「提言が十分に反映されておらず大変残念だが、今後継続して議論する第一歩にはなった」と話す。

企業や金融機関は今回の見直しを冷静に受け止めている。全国銀行協会の奥正之会長(三井住友銀行頭取)は「各業界で横断的に議論した結果に従う」と明言した。

学業優先に配慮して土曜日中心に会社説明会を開いているセブン&アイ・ホールディングスも、経団連の要請を踏まえて準備を進める方針だ。ホンダやソニーなども同様の姿勢を示している。

なお学業の妨げ

独自の対応を模索する動きも出てきそうだ。日本製薬工業協会の長谷川閑史会長(武田薬品工業社長)は昨年12月に「広報活動は最終学年になる直前の2~3月ごろからの開始を要請する」との声明を発表した。製薬各社もこれに沿った広報活動を検討している。

しかし経団連の見直しは部分的で、目立った効果を期待できないとの評価が多い。約800の企業が賛同する経団連の倫理憲章は拘束力がなく、実効性にも疑問符がつく。一部の企業が抜け駆けすれば、就職活動の早期化や長期化に再び拍車がかかる可能性がある。

大学側にはまだ学業の妨げになるとの声が残る。日本私立大学連盟の白井克彦会長は「会社説明会は2月15日以降、選考活動は8月1日以降にすることが極めて重要だ」と指摘。文部科学省も「一定の評価はするが、就職活動全体をもっと後ろにずらす努力をしてほしい」と話している。

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