2019年8月25日(日)

レアアース交渉進まず 日中経協訪中団、成果乏しく

2010/9/12付
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5日から訪中していた米倉弘昌日本経団連会長を最高顧問とする日中経済協会の代表団が11日夜、全日程を終え帰国した。中国に対する関心の高まりを踏まえ、過去最大の160人超が参加したが、当初調整していた温家宝首相や主要閣僚との会談は相次ぎ見送られた。懸案のレアアース(希土類)輸出規制の見直しも進展しなかった。

「日本人が大人数で来て話をしても、その後、具体的に進展しないじゃないか」。中国商務省の陳健次官は8日、代表団との全体会合前の懇談で、米倉経団連会長らを前に、不満を漏らした。

今回の代表団の要請事項の目玉はレアアース規制の見直し。だが日本政府は8月末に岡田克也外相ら120人規模の政府代表団を北京に送り込み、ハイレベル会合を行ったばかり。関係者によると、官民そろって大人数で変わらぬ主張を繰り返す代表団へのいら立ちが、発言に表れたようにも受け取れたという。

訪中当初から中国側の対応は冷ややかだったように見えた。調整していた温首相や商務相、工業情報化相との会談は直前に相次ぎ見送られた。

日本側がレアアース規制の交渉で重視していた7日の工業情報化省との全体会合では、担当相の代わりに出てきた次官すら、基調報告が終わると早々に席を立った。

北京での日程の最後に設定された8日の李克強副首相との会談では、団長を務めた張富士夫トヨタ自動車会長が規制の見直しに向け、レアアース採掘の際の環境汚染を解消する技術開発に向けた協力を提案した。

李副首相はそれを歓迎する意向を示したが、「どの先進国も技術力で中国市場の獲得を狙っている。先進技術の交流は、あらゆる分野でお願いしたい」と一層踏み込んだ対応を迫られ、規制を見直す言及はなかった。

結局、今回の訪中では環境・新エネルギー分野での協力強化、日中韓自由貿易協定(FTA)の促進などを確認するにとどまり、レアアース規制について中国側から踏み込んだ対応を引き出すことはできなかった。

ただ日本の今後の国際競争力のカギを握る製品に必要なレアアースのほとんどを中国に頼っている状態はバランスを欠いている。

官民代表による交渉が不調に終わった今、日本の経済界は輸入先の多元化や再利用技術の開発推進なども含む代替案を、本格的に考える時期に来ていると言えそうだ。

レアアースは17種類の希少金属の総称。ハイブリッド車や電子機器の生産に不可欠で、中国が世界生産量の9割超を占める。中国政府は7月、今年のレアアースの輸出許可枠を前年比4割減らすと決定、価格高騰が続いている。

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