欧州銀の資産圧縮、350兆円に拡大も IMF予測

2012/10/10付
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国際通貨基金(IMF)は10日、ユーロ圏の銀行が2013年末までに迫られる資産圧縮規模が最大4.5兆ドル(約350兆円)に拡大するとの予測を発表した。春時点の予測よりも0.7兆ドル拡大、欧州金融不安の影響の広がりに懸念を示した。日米の財政悪化とともに邦銀が多額の国債を保有している点も指摘。金融と財政の負の相互依存の改善を求めた。

IMFは半年に1度、国際金融市場のリスクを点検する国際金融安定性報告書を公表している。報告書ではユーロ圏58行が13年末までに必要な資産圧縮額を(1)欧州がユーロ圏内の銀行監督の一元化など改革を実行する基本シナリオ(2)欧州が改革を実行できない悲観シナリオ(3)ユーロがさらに抜本的な対策に踏み込む場合――の3つのシナリオに沿って試算した。

いずれのシナリオの場合も「ユーロ圏の対応が遅れた」として資産圧縮額を4月時点の予想より引き上げた。悲観シナリオでは4月試算の3.8兆ドルを0.7兆ドルかさ上げ。基本シナリオでも春の2.6兆ドルを2.8兆ドルに引き上げた。

IMFは銀行の資産圧縮がイタリアやスペインなどユーロ圏の周縁国で貸し渋りを招く懸念があると指摘。過去半年で国際金融市場の「不安定化のリスクは高まっている」と警鐘を鳴らし、欧州に迅速な対応を求めた。

具体的には、銀行同盟や財政統合に向けた明確な工程表を示すよう要請。ユーロ圏内での共通した預金保険や銀行破綻処理の仕組みの構築に向けた具体策も打ち出す必要があると指摘した。

報告書ではユーロ圏の危機から投資資金が日米に流入し、日米の財政状況が深刻にもかかわらず、両国の国債金利を歴史的水準に下げている点もリスク要因として言及。米国については、年明けから大型減税の失効と歳出削減が重なる「財政の崖」や、中長期的に政府債務が持続できない水準に達する懸念などをリスク要因として指摘した。

日本については巨額の政府債務残高に加え、銀行が多額の国債を保有している点に懸念を表明。金利が急上昇し、国債価格が急落すれば銀行に大きな損失が生じ、金融市場を不安定にするリスクがあると指摘した。

IMFのホセ・ビニャルス金融資本市場局長は10日午前、都内で記者会見し「日米が欧州から学ぶ教訓は市場による調整を待てば、金融の混乱と経済の悪化を招くということだ」と強調。日本には地銀の自己資本規制を主要行並みに厳しくすることなどを提言した。

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