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金融ニッポン 国部・三井住友銀頭取「目利き力に一段の磨き」(金融力シンポ)

世界でダイナミックな環境変化が続く中、アジアが存在感を強めている。日本はリーダーとしてアジアの持続的な発展に貢献し、成長の源泉としていくことが必要だ。

三井住友銀行頭取・国部毅氏  くにべ・たけし 76年住友銀行入行、11年より現職。銀行の中枢である企画部門を長く務め、様々な戦略の立案に携わった。笑顔を絶やさない気さくな人柄。「質にこだわる」「時代の一歩先をとらえる」を経営の軸に据える。4月から全国銀行協会会長も務める。

国内の1600兆円の個人金融資産を生かすための「貯蓄から投資へ」の動きを大きくする。成長産業、企業を作り出すために融資面から支援する。アジアで得た富を日本に環流して元気にする。これらが我々が果たすべき使命だ。

日本は膨大な個人金融資産、バランスシートが健全な企業を持つ世界屈指の魅力的な市場だ。個人金融資産の5割以上は現預金で、預金者も高齢層に偏る。この資産を国内外への投資を通じて成長につなげられるか、より若い世代に動かして内需を拡大できるかが日本の飛躍にとって重要だ。

この課題に対する新しい挑戦が、グループ内の銀行と証券それぞれが強みを発揮する「銀証リテール一体化モデル」だ。役割分担を明確にし、より高いレベルで協働するこれまでにない形だ。仏大手金融ソシエテ・ジェネラル傘下の信託銀行を買収し、10月から「SMBC信託銀行」として業務を始めた。

富裕層が持つ高度で多様な金融ニーズに応えるにはグループ一体で対応力を強めなければならない。信託機能を活用したテーラーメード型の運用商品の提供などプライベートバンキング機能を強化していきたい。

新産業の創出にも力を入れる。事業の将来性を見極める「目利き力」が問われる非常に難しいビジネスだが、経済発展のために銀行が果たすべき極めて重要な任務だ。

成長分野にグループ全体でサービスを提供する体制を整備しており、今年から「ヘルスケア」「農業」など日本再興戦略で成長市場とされた分野も対象にした。農業の競争力強化を目的としたファンドへの出資や介護施設の整備を金融面から促進するヘルスケア不動産投資信託(REIT)の立ち上げを決めた。

従来、海外ビジネスは日系企業などとの大口取引、インフラや資源開発などのプロジェクト融資を中心に成果を上げてきた。まだ海外での商機は広がりがある。日本の海外展開は今や、製造業からサービス業へ、大企業から中堅、中小企業へと質が大きく変わっている。日系企業同士だけでなく地場企業や現地の消費者との取引が拡大する新しいステージを迎えている。幅広い金融ニーズや現地企業のニーズに応えることが戦略の鍵になる。

Q&Aから 「成長分野で調整役担う」

――目指すべきグローバル化の姿は。

「海外収益率30%という数値目標を1年前倒しで達成した。ただ、グローバル化は数字だけでなく体制、職員の意識も含めて着実に作り上げていくものだ。国境や意識の壁を打ち破って、共通の価値観で世界でのビジネスを積み上げる」

――成長産業をどう育てていきますか。

「融資や情報の面で支えることが重要だ。国内の成長産業の支援が雇用確保の観点でも重要だ。プロジェクトの調整役としての役割が大きくなっている」

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