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参入後押し、市場に厚み 金融庁が空売り規制緩和

投資家は評価

金融庁が株式の空売り規制の見直しを発表した。直近の株価より低い価格での空売り注文を原則、解禁する。投資家や証券会社などの間では「市場の厚みがさらに増す」と総じて好意的な評価が多い。日本の株式市場への参入を阻害する要因が減ることで、最近の株高を受けた海外や個人の投資マネー流入を後押しするとの見方が出ている。

現在の規制では、直前に付いた約定価格より高い価格でしか空売りを出せない。「約定できないことが多かったが、(緩和で)取引が成立しやすくなる」(エピック・パートナーズ・インベストメンツの武英松代表取締役)との声がある。

コンピューターを駆使し1秒間に何度も注文を繰り返す高速売買を手掛ける投資家にとっても、現在の規制が障害となり「日本が実力を発揮できない市場になっていた」(大手証券)。同一銘柄に売りと買いを繰り返す場合、最初の売り注文が出しにくかったためで、日本株取引をためらう動きもあったという。

日本の規制に対応するためのプログラムを特別に用意する必要もあり、コストがかさむ要因にもなっていた。規制が緩和されれば、こうした投資家が参入しやすくなる。

個人投資家へのメリットを指摘する声もある。個人でも、資金や株券を借りて売買する信用取引を使い、まとまった金額の株を空売りする投資家は規制対象だった。緩和で「より機動的に信用売りがしやすくなる」(松井証券)。市場参加者の広がりによって「東京株式市場の1日売買代金が1千億円以上増える可能性が高い」(空売り規制に詳しい国内証券幹部)との見方も出てきた。

東京株式市場では日経平均株価が約4年5カ月ぶりとなる1万2000円をうかがい、昨年は1日あたり1兆円前後で推移することが多かった東京証券取引所第1部の売買代金も最近は2兆円を超える日が増えてきた。日本株への投資を新たに始める投資家や、再開する投資家も増えている。

市場のムードが好転してきたところで規制を見直すことで、投資資金の流入を促すとの期待は多い。銘柄によっては、値動きが荒くなる可能性もある半面、市場の流動性が高まれば、幅広い投資家に売買の機会が増えるメリットもある。

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