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日比野大和証社長「『貯蓄から投資』今こそ(金融力シンポ特集)

講演する大和証券グループ本社の日比野隆司社長(3日、東京・大手町)

日本経済の失われた20年は株式市場にとっても失われた20年だった。日経平均株価は1989年末に3万8915円のピークを付けた後、09年3月に7054円まで下落し、その後も1万円を下回っている。

個人金融資産は06年度の1575兆円までほぼ一貫して残高を伸ばした。11年度末の残高は1518兆円。90年度から11年度にかけて株式の比率は9.4%から4.1%に減少。現預金は47.4%から55%に増えた。「貯蓄から投資へ」に官民が取り組んだが、ひたすら貯蓄の時代が続いた。

ただ、長期にわたる日本株下落、円高トレンドにも終えんの兆しが見られる今、「貯蓄から投資へ」というテーマを掲げるにふさわしいタイミングを迎えた。

投資環境が劇的に変化した。90年代には50倍を超えていた日本株のPER(株価収益率)は今世紀に入って20倍を割り込み、直近は11倍台へ低下している。PBR(株価純資産倍率)はバブル崩壊で5倍超から2倍前後に低下、リーマン危機後は1倍を割り込む低い水準で推移している。

9月末時点で株価指数のPBRが日本より低い先進国は欧州債務危機で苦しむイタリアのみ。日本株の割安感が際立っている。

配当収入面で投資魅力も大きくなった。東証1部の配当利回りは80年代は1%前後だったが、直近は2%台半ば。メガバンク3行の平均配当利回りは4%前後だ。預金からメガバンク株に資金シフトがあってしかるべき状況にある。

 日本経済が再び活力を取り戻すためには企業にリスクマネーが供給されることが必要。国際展開する日本企業への投資などを通じ、世界の成長を取り込み、個人金融資産を効率的に運用することも重要だ。

3つの戦略を展開する。

1つが独自の証銀連携モデル。11年5月に開業した大和ネクスト銀行は12年9月末で預金量1兆8500億円を誇る銀行に成長した。同行を現預金市場と証券市場を結ぶ「ゲートウェイ銀行」と位置付ける。

第2にアセットマネジメント事業の強化。大和証券や銀行窓口を通じた販売でグループの公募投資信託シェアを増やしてきたが、今後は「運用の大和」としての評価を高めたい。

アジア重視の海外戦略も継続する。5月にはミャンマー中央銀行、東京証券取引所と大和総研の3社でミャンマーでの証券取引所設立と資本市場育成支援への協力に関する覚書を締結した。15年の取引所開設に向けて準備を進めている。

――国内の投資家が再び株式市場の主役になるには何が必要か。

「外国人は91年以降、ほぼ一貫して日本株を買い越している。日本人投資家の株式保有をもっと増やすべきだ。株式の組み入れ比率を引き上げることを、年金などに働き掛けたい」

――日本企業の株価が割安に放置されている。

「自己資本利益率(ROE)が低いというだけでは説明がつかないほど総合商社や通信、大手銀行などの株価は低い。国内投資家が過度にリスクを回避する姿勢を修正する必要がある」

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