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薬ネット販売解禁へ 大衆薬、原則全て対象

政府は4日、一般用医薬品(大衆薬)のインターネット販売を解禁する方針を固めた。原則すべての大衆薬を対象とする。安全性にも配慮し、医療用医薬品から大衆薬に転用して間もない薬に限り、副作用などの危険性を検証し、一定期間、販売対象から外す例外措置も検討する。月内にまとめる成長戦略の目玉政策として盛り込む方針で、最終とりまとめを急いでいる。

4日朝、菅義偉官房長官、甘利明経済財政・再生相、田村憲久厚生労働相、稲田朋美行政改革相の関係4閣僚が首相官邸で協議。安全性に配慮しつつ、大衆薬のネット販売を解禁する方向で一致したもよう。早ければ安倍晋三首相が5日に発表する成長戦略の概案に盛り込めるように、詰めの調整を続ける。

薬のネット販売を巡っては大衆薬のうち、ビタミン剤など副作用のリスクが低い第3類はすでに解禁されている。今回、リスクが高い第2類から第1類も原則として対象に加える。消費者の利便性を高め、薬を買いやすくすると同時に価格競争を促し、ネットでの商取引の拡大にもつなげる狙いだ。

副作用リスクが高い薬については一定期間、除外品目を設けることも検討する。鎮痛剤ロキソニンS、鼻炎用薬アレグラFXなど25品目が候補にあがっている。ただ、全大衆薬1万1400品目の0.2%で例外が設けられた場合でも、99%超の大衆薬のネット販売が認められることになる。

例外品目については対面販売の開始から一定の期間を置くことで、副作用リスクなどを検証し、ネット販売が可能か見極める。厚労省が専門家を集めた検討会を立ち上げる見通しだ。

リスクが高いと判断された大衆薬を医療用医薬品に戻す案も浮上している。副作用リスクの高い薬を分類から外すことで、100%の大衆薬をネットで販売できるようにする考え方だ。その場合、対面でもネットでも大衆薬として販売できなくなる。

安倍晋三首相は4日午前の参院経済産業委員会で「安全性を確保できる新たなルールを早急に策定するよう尽力していく」と述べた。「消費者の利便性から考えているわけで、経済を優先して安全を犠牲にすることは決してあってはならない」と強調した。生活の党のはたともこ氏への答弁。

大衆薬のネット販売は1月の最高裁判決が、副作用リスクの高い第1類と第2類の販売を一律に禁じた厚労省の省令を違法と認定。この判決以降、企業による薬のネット販売の参入が相次ぐ「事実上の解禁状態」にある。厚労省は推進派と反対派を集めて、新たな販売ルールを作る検討会を開いたが、結論を出せなかった。

楽天などのネット業者は「ネットが対面に劣るという法的な根拠はない」として、ネットに限った規制は例外措置でも認めないと反発している。

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