2019年5月26日(日)

規制 岩盤を崩す 第1部

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医薬品販売は商売ではない
第2回 インタビュー

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2013/4/4 2:00
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一般用医薬品(大衆薬)のインターネット販売に医師たちは強く反対している。厚生労働省の検討会の委員も務める日本医師会の中川俊男副会長に、店頭やネットで大衆薬を買い込んだ記者が率直な疑問をぶつけてみた。

日本医師会の中川副会長は、厚労省が省令で第1類と第2類を禁止していたこと自体は正しいと主張する

――「厚労省の省令による一律禁止は無効」とする最高裁判決も出ています。なぜネット販売に反対するのですか。

「最高裁判決で無効になったが、厚労省が省令で第1類と第2類を禁止していたのは正しい。判決は一律禁止の省令が薬事法で定められた委任の範囲を超えていたという判断を示しただけだ。薬事法に不備があっただけで、もう一度しっかり改正し、国民の命と安全を守らないといけない」

「推進派はなぜネットで薬を売りたいのか。商売と答えるだろうが、医薬品は別だ。聖域なき自由販売では困る。最高裁判決に照らして薬のネット販売について議論するのであれば、法廷でやればいいのであって、厚労省の検討会はいかに国民の安全を守るのかを議論する場だ。政府の規制改革会議は全面解禁というが、国民の命と安全をまったく考えていない」

――ネットと対面を分けて考えるのには違和感を覚えます。販売方法にかかわらず、いかに安全性と利便性を両立させるかを考えるべきではないですか。

「ネットでしか起こらない問題がたくさんある。例えば、対面では薬剤師が来店客が重病か妊娠していないか、高齢者や子どもは危険かなど、すぐに分かる。ネットでは無理だ。対面でもニセ薬を売るのは可能だが、長続きしない。ネットだと継続的にニセ薬を販売できてしまう。国境がないネットの世界では、国民が日本の会社だと思って買ったら違うという事例がたくさんある。1~2類のネット販売を禁止している状態と、解禁した後の状況では悪い例が格段に増えるだろう」

――国がネットの販売ルールをつくり、ルールにのっとって販売している業者を認定すれば、消費者がニセ薬の業者を区別できるのではないですか。

「できないから、こういうことが横行している。ネットの技術が数段上がらないと無理だ。ネット上で仮に正規業者を示す承認ロゴを作っても、ニセものは作れる。正規で売っている販売業者はニセ業者を管理できない。ネット業者はもうけたいから売る。健康なんて危険にさらしたっていいと思っているのではないか」

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この記事へのコメント
  • Yoshiさん (2013/4/4)
    「医薬品販売は商売ではない」への投稿

     日本医師会の副会長の発言は笑止と患者は思っている。医師会は開業医者の代表で、なぜ厚労省もマスコミも医師会から意見を聴くのか。きちんとしたネット販売は推進すべき。遠隔医療も技術はあるが医師会がつぶしてきた。

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