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大企業製造業、3期ぶりに景況感改善 輸出の改善傾向を背景に

日銀が2日発表した6月の企業短期経済観測調査(短観)は、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が大企業製造業でマイナス1と、3月の前回調査(マイナス4)から3ポイント改善した。改善は3期ぶり。欧州債務問題などで世界経済の減速懸念はあるものの、原油価格の下落や円高に歯止めがかかりつつあることを背景に景況感が上向いている。

業況判断DIは景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を差し引いた値。回答の基準日は6月12日で、基準日までに7割弱が回答した。同日の日経平均株価が8500円前後、円相場は1ドル=79円台半ばだった。

業種別の業況判断DIをみると、大企業製造業では自動車や汎用機械、電気機械など16業種中7業種が改善した。自動車は前回から4ポイント改善してプラス32だった。紙・パルプや化学、非鉄金属も改善幅が大きかった。

エコカー補助金による政策効果に加え、中国、タイなどアジア向けの輸出も持ち直しの動きがみられ、景況感が悪いと感じる企業の数が減った。

大企業非製造業の業況判断DIは3ポイント改善してプラス8。4期連続の改善となった。東日本大震災後の復興需要を背景に建設、不動産がともに改善したほか、対個人サービス、宿泊・飲食サービスがともに2桁の改善幅となった。高齢者を中心としたサービス消費が活発になっており、足元の内需の底堅さが裏づけられた。

ただ、業況判断DIの3カ月先の見通しをみると、製造業と非製造業で明暗が分かれる。大企業製造業が足元から2ポイント改善し4期ぶりにプラスに転じる一方、大企業非製造業では2ポイント悪化のプラス6となる見通し。個人消費などの内需の持続力にやや不安を残した。

2012年度の設備投資計画は大企業の製造業が前年度比12.4%増と、6月調査としては06年以来6年ぶりの高い伸び率となった。非製造業が3.0%増だった。背景には企業収益の回復がある。経常利益は加工業種を中心に伸びそうで、大企業製造業全体で前年度比10.1%増を見込む。先行きの設備過剰感は和らぐ見通しだ。

雇用の過剰感も薄れつつある。足元では「過剰」から「不足」を引いた雇用人員判断DIが大企業製造業で前回比で横ばいのプラス8となったが、先行きは過剰感が2ポイント低下する見通し。新卒採用計画も12年度、13年度ともプラスとなっており、雇用環境は緩やかに改善しているようだ。

大企業製造業の12年度の想定為替レートは78円95銭と前回調査時より81銭円安になった。ただ、過去の実績と比べると依然として調査開始以来最高の円高水準となっており、円高への警戒感はなお根強い。

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