世界最大蓄電池、北海道電が導入
経済産業省は31日、住友電気工業製の世界最大級の蓄電池を北海道電力の南早来変電所に導入すると正式に発表した。蓄電池の放充電により、天候による出力変動の激しい太陽光や風力などの供給量のブレを調整して、再生可能エネルギーの活用を進める。蓄電池の導入で北海道電の再生可能エネルギーの導入可能量は約1割増える見込み。
住友電工横浜製作所(横浜市)の実証機を視察した茂木敏充経産相は、「世界最先端の技術は国内で再生可能エネルギーを安定的に拡大するために重要だ。日本のお家芸の技術を将来的には国際展開したい」と述べた。
導入するのはリチウムイオン電池の倍の20年の寿命があるレドックスフロー電池。6万キロワット時(一般家庭6千世帯の1日分の消費電力に相当)の蓄電能力がある。
電力会社が大容量蓄電池を本格導入するのは初めて。北海道では昨年7月から始まった再生エネの固定価格買い取り制度で、メガソーラー(大規模太陽光発電所)に参入する事業者が急増した。気象条件で発電量が大きく変動する太陽光発電は電圧や周波数の振れが大きく、安定供給に影響があるとして、北海道電では電力網への接続を制限している。