2019年5月23日(木)

タクシー復権か、7年ぶり支出増 高齢者が利用

2014/1/31付
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ちょっとそこまでタクシーで――。全国でタクシー利用が増えている。31日に発表された家計調査によると、2013年のタクシーへの支出額は7年ぶりに前年の数字を超えた。アベノミクスで消費者の心理が好転したことに加えて、高齢者の利用が増えていることも背景にありそうだ。

総務省の家計調査によると、2人以上世帯のタクシーへの平均出費は13年の通算で5426円と前年よりも7.9%増えた。06年の6047円が直近のピークで、リーマン・ショックなどで減り続けていたが、ようやく反転した。

反転の主因は消費者心理の好転だ。12年末から株高が進み、賞与を中心とする賃金の引き上げも広がった。「電車や徒歩の代わりにタクシーを使うほか、遅くまで繁華街で飲んでタクシーで帰るといった利用が増えたようだ。消費マインドの改善が表れている」(ニッセイ基礎研究所の井上智紀准主任研究員)という。

タクシー支出が増えたもう一つの要因は高齢化だ。車を運転せずにタクシーで病院などに行く高齢者が増えている。地方自治体も高齢者による自動車事故が増えたことから、運転免許証を返納すればバスやタクシーの利用券などを渡すところが増えている。

タクシー会社にとっても高齢者は新たな市場。車いすのままでも乗りやすいワンボックス型のタクシー車両を増やしており、「高齢者の利用が支出の押し上げにつながっているようだ」(全国ハイヤー・タクシー連合会)。

ただ、先行きは不透明だ。不安要素の1つは今年4月の消費増税に伴う値上げ。東京都心部ではタクシーの初乗り運賃の上限は、710円から730円に上がる。

もう1つは規制の強化。1月27日に、タクシー運賃の引き上げや減車を事実上義務付ける特別措置法が施行された。初乗り500円の「ワンコインタクシー」は値上げを迫られる。特措法はそれに加えて、国が台数が過剰と認めた地域で、新規参入や増車を3年間禁じる規定も盛り込んだ。既存のタクシー業者の利益を守る規制強化で、消費者のタクシー離れが再び起こる可能性もある。(山崎純)

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