2019年2月24日(日)

日独首脳、ロシアの孤立回避で一致 米との調整課題

2014/4/30付
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【ベルリン=地曳航也】欧州歴訪中の安倍晋三首相は30日昼(日本時間同日夜)、ベルリンの首相府でメルケル首相と会談した。ウクライナ問題でロシアに責任ある対応を求める一方、ロシアとの対話を継続する必要性で一致した。主要7カ国(G7)で対ロ制裁に慎重な日独両国が足並みをそろえた。ロシアの孤立回避に向け、強硬派の米国とどう調整するかが課題となる。

共同記者会見を終え、ドイツのメルケル首相(左)と握手を交わす安倍首相(30日、ベルリン)=共同

共同記者会見を終え、ドイツのメルケル首相(左)と握手を交わす安倍首相(30日、ベルリン)=共同

両首相は会談で、ウクライナ問題の解決に向けて「すべての当事者に事態沈静化のために働きかける必要がある」との認識で一致し、日独の緊密な連携で合意した。ロシアのウクライナ南部クリミア編入を巡っては「力を背景とした現状変更の試みは容認できない」との認識を共有。国際社会でロシアが責任ある役割を果たすよう促す方針を確認し、ロシアの孤立回避で歩調を合わせた。

安倍首相は会談終了後、メルケル首相との共同記者会見で、ウクライナ問題に関し「G7で一致して行動をとっていくことが大切だ」と強調。「問題があるからこそ対話も行わなければならない。ロシア側と意思疎通を図ることも大変重要だ」と力説した。メルケル首相も「ロシアとの対話のチャネルを取っておく必要がある」と指摘した。

両首相は会談で、経済・安全保障を軸とした幅広い分野で重層的に関係を強化する方針でも一致した。経済分野では安倍首相が自身の経済政策「アベノミクス」を通じ経済再生を進める意向を表明。欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)の早期締結を目指すことで合意した。

メルケル首相はこれまでアベノミクスに批判的だったが、今回の会談後の記者会見では「それぞれの国にやり方がある」と述べるにとどめた。ウクライナ問題での連携を優先したとみられる。

安全保障分野では安倍首相が自身の外交・安保政策の基本理念として掲げる「積極的平和主義」を説明。実践するパートナーとしてドイツを含む欧州諸国との安保協力の強化を打ち出した。官民の安全保障対話の定期化や、ソマリア沖など両国が部隊を展開する地域での連携で合意した。防衛装備品の輸出管理に関する協議も進める。

メルケル首相は安倍首相の招きに応じ、来年に訪日したい意向を示した。

ウクライナ問題を巡っては、米国やEUはプーチン大統領の側近らの資産凍結や渡航禁止などの制裁を実施している。日本も29日にロシア政府関係者23人の査証(ビザ)発給停止を決めたが、氏名も公表しておらず、ロシアへの配慮がにじむ。

日独が対話姿勢を強めれば、米国との足並みが乱れかねない懸念もある。政府関係者は「対話と圧力の両にらみは続けざるを得ない」と話す。安倍首相は記者会見でさらなる制裁措置について「G7、欧州各国と連携しながら検討していく」と述べるにとどめた。

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