2019年1月16日(水)

国債利払い、21年度20兆円に倍増 財務省試算

2012/1/30付
保存
共有
印刷
その他

財務省は30日、2012年度予算案をもとに歳出と歳入の見通しを推計して公表した。消費税率を15年10月に10%に引き上げても国債残高は21年度末に1000兆円を超えるまで増え続け、21年度の国債の利払い費は20兆円へと倍増する見込みだ。先進国で日本の債務残高が突出している状態は変わらず、社会保障費の抑制など歳出削減が急務であることが改めてわかった。

財務省が公表したのは「後年度影響試算」。消費税率を14年4月に8%に、15年10月に10%に引き上げることを盛り込んだ初めての試算になる。

消費増税しても国債の残高が膨らむのは、全体の税収が増えても、社会保障の拡充やそれまでに発行した国債の元利払いが税収増より大きいためだ。このため新規国債の発行額も減らない。過去に発行した国債の利払いのために新たな国債を発行する悪循環を断ち切れない構図だ。

残高1000兆円超

試算によると、国債残高(復興債を除く)は12年度末の696兆円から21年度末には311兆円増の1007兆円に達する見通し。利払い費も12年度の10兆円から21年度には20.7兆円にまで増える。経済成長率は1%台半ば、長期金利(新発10年物国債利回り)は現在より高い2%程度と仮定している。

消費税率を5%上げるのに伴って税収は15年度には12年度よりも約10.5兆円増える。これにより税外収入なども含めた収入は15年度に56兆円に増える。

ところが社会保障費や地方交付税など政策的な経費は12年度の68.4兆円から15年度には73.9兆円まで増える。国債も毎年40兆円以上の新規発行で残高が積み上がるため、利払い費に国債の償還費などを足した国債費は12年度の21.9兆円から、15年度には27.5兆円に増えることになる。

税収で政策的経費が賄えるかを示す基礎的財政収支は、12年度の22.3兆円の赤字が15年度に18.2兆円の赤字に縮小する。だが国債残高が増え続けるため、財政再建が急進展するとはいえない。

社会保障費が鍵

債務危機の南欧諸国と比べても、日本の債務残高は突出している。安住淳財務相は28日の社会保障と税の一体改革の説明会で「国債が市場から売り浴びせられる時代。財政再建に向けて歩まなければ、世界の市場関係者は厳しい対応をしてくる」と語った。

しかし財政健全化のハードルは高い。最大の焦点が社会保障費の抑制だ。一体改革素案については「社会保障費の抑制に切り込んでおらず、一体改革の名に値しない」(経済同友会の長谷川閑史代表幹事)との声が経済界から出ている。

日経電子版が2月末まで無料!いつでもキャンセルOK!
お申し込みは1/31まで

保存
共有
印刷
その他

関連キーワード

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報