2019年4月20日(土)

「日本防衛に沖縄不要」 67年、米高官が言明

2012/7/31付
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佐藤栄作政権が沖縄返還の対米交渉を本格化させる直前の1967年1月、沖縄駐在の米高官が外務省幹部に「日本の防衛ということなら沖縄は要らない。沖縄の基地を必要とするのは極東の安全のためだ」と言明、沖縄を日本防衛ではなく極東戦略の拠点に位置付ける姿勢を明確にしていたことが、31日公開の外交文書で分かった。

日本政府は沖縄駐留米軍を「日本防衛に必要な抑止力」としてきたが、米側はむしろ極東全体をにらんだ安全保障上の地政学的役割を重視していた実態を物語っている。中国や朝鮮半島の動きを念頭に、新型輸送機オスプレイの沖縄配備計画を進める現在の米軍戦略にも通底しており、論争を呼びそうだ。

発言していたのは、米軍統治下の沖縄で強い権限を持った高等弁務官の政治顧問、ジェームズ・マーティン米公使。67年1月22日付の外務省極秘文書によると、東郷文彦・外務省北米局長との会談で言明していた。

マーティン氏は「自由な基地使用が確保されるなら、いつでも全面返還した方がいいと思っている」とも言及。米軍戦闘作戦行動を日米安全保障条約で定めた事前協議の対象外とし、いわゆる「本土並み」を沖縄に適用しないことが返還の前提条件だと強調した。

返還交渉が本格化した直後の同7月19日付の東郷局長とジョンソン駐日米大使の会談記録によると、国内世論を理由に、基地の完全な自由使用化は「困難」とする東郷氏に対し、大使は「(基地の扱いが)『本土並み』なら(沖縄から)引き揚げる」とけん制。

ベトナム戦争遂行中の米軍は沖縄施設を前線基地化しており、戦略機能堅持を主張する大使に、東郷氏は「(基地の)自由使用と『本土並み』の間に、わが方として受諾し得る基地の地位を見いだしたい」と答えた。

最終的に日本は米国に押された形で返還後の基地の自由使用を事実上容認。69年の佐藤・ニクソン首脳会談で72年の沖縄返還合意に至った。マーティン氏は対日政策に携わった知日派外交官。〔共同〕

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