2019年1月21日(月)

10月鉱工業生産、4カ月ぶりプラス スマホけん引
低下判断は維持

2012/11/30付
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政府が30日発表した10月の鉱工業生産指数は前月比1.8%上昇し、4カ月ぶりにプラスに転じた。各社の計画に基づく年末までの生産予測も増産を見込む。ただ消費支出は弱い動きが続き、有効求人倍率も0.80倍と2カ月連続で悪化した。景気は4月から後退局面に入ったとの見方が多いが、年末から年明けにかけて底入れを探る展開となりそうだ。衆院選後の新政権は景気の後押しも課題となる。

経済産業省が発表した10月の鉱工業生産指数(2005年=100、季節調整値)は88.1となり、事前の市場予測(2.2%低下)を大きく上回った。中国などアジアで生産するスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)向けの部品が好調。電子部品・デバイスは14.7%増となり、比較可能な1998年1月以降で最大の伸びだった。

10月実績は事前に各業界に実施する予測調査を27カ月ぶりに上回った。経産省は「エコカー補助金の終了による反動減が一服するなど、低水準ながら底堅さが見えてきた」としている。ただこれまでの低下が続いた反動という面もあり、基調判断は「低下傾向にある」と前月から据え置いた。

生産指数は全16業種のうち8業種で上昇した。輸送機械も1.1%増と6カ月ぶりにプラスに転じた。新型車が投入された効果で軽自動車が増え、北米向けの普通自動車も堅調だった。

製造工業生産予測調査は11月が0.1%のマイナスだが、12月が7.5%の大幅プラス。12月は電子部品・デバイスと輸送機械がともに2ケタの増産を見込む。予測通りになれば、10~12月期の生産は前期比0.8%増と3四半期ぶりのプラスになる。生産は底入れを探る動きが出てきた。

減速が続いていた中国経済も、在庫調整の進展などで回復を示唆する指標がある。ただ電子部品は需要や生産の振れが大きく、スマホ頼みの生産回復にはやや危うさも残る。

消費と雇用の先行きは見えない。総務省が同日発表した10月の家計調査では、2人以上の世帯の消費支出は1世帯あたり28万4238円となり、物価変動の影響を除いた実質で前年同月比0.1%減少した。減少は2カ月連続。消費の基調判断を前月に続き「弱含みとなっている」としている。

厚生労働省が発表した10月の有効求人倍率(季節調整値)は前月より0.01ポイント低い0.80倍となり、2カ月連続で悪化した。製造業では新規求人が5カ月連続で前年同月を下回った。

総務省が発表した10月の完全失業率(季節調整値)は前月比横ばいの4.2%だったが、求人減が失業率に波及する懸念もあり、厚労省は雇用の基調判断を「持ち直しの動きが弱まっている」と19カ月ぶりに下方修正した。

民主党や自民党は衆院選後に景気対策のため大型の補正予算を編成する考えを表明している。日銀を含めた政策対応も今後の景気動向のカギを握る。

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