2019年7月24日(水)

北朝鮮が拉致全面調査 日本、制裁の一部解除へ
特定失踪者含め実施

2014/5/29付
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政府は29日、北朝鮮が拉致被害者や拉致の疑いのある特定失踪者を含む域内の日本人の安否について包括的かつ全面的な再調査を約束したと発表した。日本は合意した特別調査委員会の発足と活動を確認した時点で、独自に科してきた人的往来や送金など経済制裁の一部を解除する。人道支援も検討し、生存者の確認と帰国による拉致問題の解決に全力をあげる。

「北朝鮮が拉致再調査を約束」安倍首相が発表(29日夕)

「北朝鮮が拉致再調査を約束」安倍首相が発表(29日夕)

安倍晋三首相は29日夕、首相官邸で記者団に北朝鮮が拉致問題の再調査に応じる考えを伝えてきたことを明らかにした。続いて菅義偉官房長官が記者会見し「北朝鮮は日本人に関する全ての問題を解決する意思を表明した」と説明。北朝鮮への独自の制裁措置に関して「(拉致の再調査に向けて)いかなる組織を立ち上げるかを見極めたうえで解除する」と述べた。

日本側の説明によると北朝鮮の特別調査委は3週間ほどで設置され、調査を始める見通し。特別な権限が付与され、調査状況は随時、日本に伝えられる。北朝鮮は調査委の具体的な組織、構成、責任者について調査開始までに連絡するとしている。生存者が見つかった場合は、帰国に向けて協議する方向も確認した。

日本は調査実態を確認するため調査に日本人が参加できる仕組みを求めていたが、今回は見送られた。菅氏は「実質的に調査実態を把握できる仕組みは作った」と述べつつ、具体的な対応は明らかにしなかった。

日本側が調査開始後に解除するのは(1)人的往来の規制(2)北朝鮮への現金持ち出しなどに関する規制(現在は10万円超で届け出が必要)(3)人道目的の北朝鮮籍船舶の日本への入港禁止措置――の3点。北朝鮮への人道支援についても「適切な時期の実施を検討する」とした。

北朝鮮は東京地裁が売却を許可した都内にある在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部の扱いで配慮を求めているが、今回の合意内容には含まれなかった。

首相は拉致問題の全面解決を政権の最重要課題の一つと位置付け、年明けから北朝鮮当局と水面下で接触してきた。非公式協議を続け、3月には1年4カ月ぶりに公式な政府間協議を再開。今月26~28日にスウェーデンのストックホルムで3日間にわたって外務省局長級協議を開き、今回の合意内容を詰めた。

拉致被害者の再調査をめぐっては、日朝両国が2008年に制裁の一部緩和と引き換えに合意した。当時はその後、福田康夫首相が辞任し、北朝鮮側が調査を見送って白紙に戻った。今回も北朝鮮が実効性のある調査を実施し、拉致被害者の安否情報の提供や生存者の帰国に応じるかどうかは不透明さが残る。

北朝鮮の朝鮮中央通信は29日夕、「朝日政府間会談の結果に関連する報道」として、日本人拉致被害者問題で北朝鮮側が「包括的で全面的な調査を進め、最終的に日本人に関するすべての問題を解決する意思を表明した」と伝えた。発表した合意項目は日本側とほぼ同じだ。

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