規制委、もんじゅに運転再開の準備停止命令

2013/5/29付
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原子力規制委員会は29日、高速増殖炉原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の点検漏れ問題で、日本原子力研究開発機構に対し、運転再開の準備停止を命令することを正式に決めた。同機構を所管する文部科学省も近く改革本部を設け、抜本的な体制見直しを始める。ただ組織に根深く張った安全軽視の体質を改善できるか不透明感が強い。

規制委は30日に原子力機構の幹部を呼び、命令文書を渡す。管理体制が改善されるまで試運転の再開準備を認めない。もんじゅ計画の大幅な遅れは必至だ。

■漏洩事故が批判増幅

茨城県東海村の加速器実験施設「J-PARC」でも23日、管理区域外に放射性物質が漏洩し、規制委への報告が1日以上遅れた。高エネルギー加速器研究機構との共同運営とはいえ、「原子力発電について国民が不信感を持っている中で、緊張感と危機感に欠ける」(下村博文文部科学相)と批判が絶えない。

原子力機構は2005年、核燃料サイクル開発機構と日本原子力研究所が統合して発足した。もんじゅは核燃機構の前身の動力炉・核燃料開発事業団(動燃)が建設した。動燃は1995年、もんじゅでナトリウムの漏洩事故を起こし、事故情報隠しで批判を浴びた。97年には、東海村再処理施設で爆発事故が発生。98年に核燃機構へ改組された。もんじゅは10年に試運転を再開したが、まもなく燃料交換用の炉内中継装置が落下し、停止した。17年以上にわたって発電が止まっている。

■蓄積されぬ技術

文科省幹部は「原子力機構は研究者の集まり。もんじゅについても研究開発という意識が強く、電力会社とは緊張感が違う」と嘆く。

近く発足する文科省の改革本部は、7月末をめどに組織体制と業務の改革案をまとめる方針だ。点検漏れ問題で17日に辞任した鈴木篤之前理事長の後任は近く決まる。新しい理事長の下で、まず職員の意識改革が進まなければ、同じ過ちを繰り返しかねない。

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