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民自党首、ネット番組で対決 討論会は消化不良

野田佳彦首相(民主党代表)と自民党の安倍晋三総裁は29日夜、インターネット番組で党首討論に臨んだ。首相と安倍氏の直接対決は衆院解散後初めて。首相が環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加に意欲を示す一方、安倍氏は景気が悪化すれば消費増税を見送る考えを表明した。ただ、10党首が参加しただけに議論は拡散しがち。民自両党首が議論を戦わせる場面はほとんどなかった。

討論は都内のライブハウスで開かれ、ネットで生中継された。首相と安倍氏のほか、新党「日本未来の党」の嘉田由紀子滋賀県知事ら計10党の党首が参加。日本維新の会の石原慎太郎代表と新党改革の舛添要一代表は出席しなかった。

討論では、TPP交渉参加を巡って首相が「米国と協議を加速すると合意した。課題を乗り越えることができれば交渉参加の道は開ける」と重ねて意欲を表明。安倍氏は「(TPPの原則である)『聖域なき関税撤廃』を突破する外交力をもっているかどうか(が大事だ)」と民主党政権の交渉力に疑問を呈した。

これに対し、首相は「『交渉力がないから駄目、拙速だ』というが、じゃあ持ったら進めるのか」と反論した。

消費増税については、首相が「安定財源を確保することで、将来の社会保障を安心なものにできる」と理解を求めた。安倍氏は増税に賛成の立場を示しつつ「経済が悪い状況、つまりデフレがどんどん進行する中では上げない」との立場を改めて示した。

TPP以外で2人の応酬はなく、それぞれが言いっ放しで終わった。安倍氏が「日銀の伝統的な方法ではなく、新たな次元のデフレ脱却政策を進める」と積極的な金融緩和を訴えれば、首相も格差是正のために所得税や相続税を見直す必要性を指摘した。

TPPや消費増税などの討論では、新党大地の鈴木宗男代表ら他党が首相に詰め寄る場面が相次いだ。首相は防戦に追われ、金融緩和や原発政策に関する安倍氏の主張を批判できずじまい。党首が意見を交わすことのできる討論時間は事実上45分間に限られ、安倍氏も他党の発言に阻まれて首相と直接やり取りする機会を奪われた。

討論に先立つ街頭演説などでは、外交や安全保障をめぐって首相と安倍氏の論争が過熱した。

安倍氏は29日の講演で、沖縄県・尖閣諸島の実効支配を強めるために退役した自衛艦の活用を提唱。首相は神奈川県伊勢原市での街頭演説で「言葉で他国を挑発するようなことは自制しなければならない」と述べ、尖閣の領有権を主張する中国をむやみに刺激するのは慎むべきだとの考えを強調した。

首相や民主党執行部は安倍氏との14日の党首討論で首相が優勢だったことを踏まえ、安倍氏と一騎打ちでの討論を提案。安倍氏はインターネット番組を舞台にした討論を逆提案したが、首相側は難色を示していた。最終的には主要政党の党首がほぼ参加する方向となったため、首相も28日に参加を表明した。

安倍氏は約1時間半の討論後、主催者側に首相と2人だけの討論を続行するよう要請したが、実現しなかった。日本記者クラブの主催で30日に開かれる党首討論が次の対決の場となる。

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