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大飯の活断層調査、新たな試掘を指示 規制委

最終判断は来春以降

原子力規制委員会は29日、国内で唯一稼働している関西電力大飯原子力発電所(福井県おおい町)の断層の再調査を終えた。敷地内に活断層が走っているかどうかの見解はまとまらなかった。島崎邦彦委員長代理は「まだ検討が必要だ。関電の調査後に改めて会合を開く」と表明。関電の追加調査を待って来春以降に最終判断する見通しを明らかにした。

調査は長引く公算が大きくなってきた。新たな地点での試掘が必要で、関電の対応にも時間がかかるためだ。大飯3、4号機が定期検査を理由に停止する来年8月までに規制委の結論が出るかどうかが次の焦点との見方もある。

大飯原発では2号機と3号機の間に「F-6」断層が走る。細かく砕かれた岩石などでできた層で、重要施設の非常用取水路の真下を通るとみられる。調査団は29日、地滑りか活断層かを判別しにくい地層のずれがある海岸付近の溝を改めて確認し、原発建屋北側の山頂付近の溝も調べた。

関電は地層のずれを地滑りと説明。調査団のメンバーでは東洋大の渡辺満久教授が「今までの考えは変わらない」として活断層の疑いを示唆したのに対し、立命館大の岡田篤正教授は「活断層とは違うと思う」と述べ、地滑り説を後押しした。

規制委は10日開いた日本原子力発電敦賀原発(福井県敦賀市)に関する評価会合で、活断層の可能性を認定。2日間の議論の予定を1日に縮めて結論を出したことに比べ大飯原発の手続きには慎重さが目立つ。島崎氏は調査後「現場としては敦賀より大飯の判断は難しい」と率直に認めた。

稼働の継続を期待する関電は「(活断層の疑いを)否定しきれない理由をこちらが聞きたい」(金谷賢生土木部長)と強気の姿勢も示す。

規制委は年明けに大飯原発の断層に関する評価会合を開くが、暫定的な判断にとどまりそうだ。規制委は11月の調査後、関電に敷地南側で溝を掘るよう指示。関電は来年2月末に報告書をまとめた後、本格的に溝を掘って調べる段取りを描く。規制委が結論を出す時期は不透明なままだ。

大飯3、4号機は来年8月に定期検査に入る予定だ。活断層と認定されれば、関電は検査前に運転停止を迫られる可能性がある。再び原発が使えなくなれば追加コストが膨らみ、経営への打撃は避けられない。一方で規制委の判断が長引くほど原発の稼働が続く。

規制委は来年7月、新しい安全基準をつくる。新基準で活断層の定義に「40万年前以降に動いた地層」を加える方針だ。これまで「12万~13万年前以降」だったが、古い年代まで遡ることで耐震強化を促す。新基準の適用後、全原発が改めて断層の調査対象になる可能性もある。

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