消費増税、首相と前原氏に確執 隙うかがう小沢元代表

2012/3/30 0:53
保存
共有
印刷
その他

28日に決着した民主党の消費増税関連法案を巡る協議は8日間、46時間に及んだ。舞台裏では法案成立に「政治生命をかける」とした野田佳彦首相と、調整の前面に立った前原誠司政調会長の確執があった。増税に反対する小沢一郎元代表と前原氏側とが接触する場面もあった。

首相は党の合同会議で、増税慎重派と折り合おうとして妥協案を模索する前原氏の姿勢に不安を抱いていた。最終局面に、それが表面化する。

首相が明言した月内の国会提出を実現するための最終日だった27日。首相は「丁寧な議論」を心がける前原氏の仕切りにいらだち、自ら合同会議に乗り込んで説得する意向を党幹部に伝えた。昨年末、民主党が消費増税を了承した最終局面で、首相は約5時間にわたって説得にあたったことがあったからだ。

前原氏は首相の出席を拒否した。ここで首相に委ねたら「メンツが丸つぶれになる」(前原氏側近)との危機感があったためだ。輿石東幹事長も昨年末より一層厳しくなった党内の空気を踏まえ「今回はダメだ」と首相の出席に反対した。

首相は焦点となった景気条項に関して、慎重派の求めに応じて数値を入れると金融市場の理解を得られないとして拒んだ。前原氏は首相との2人きりでの会談では押し切られる可能性を察知し「必要があれば出て行く」と語っていた輿石氏を応援につけた。

今度は首相が2対1の構図を嫌って、岡田克也副総理を呼んだ。こうした経緯で始まった27日夜の「4者会談」で、執行部の方向性が決まった。前原氏は輿石氏という援軍を得て、法案に数値を盛り込んだが、首相は「外には『条件でない』ことを強く発信してください」と念押しをした。

元代表も議論を外から見守っていた。28日未明まで、国会近くのホテルの一室に陣取り、側近からの詳細な報告を受け続けた。元代表は首相と前原氏のぎこちなさをみて、くさびを打ち込もうとしたフシがある。

党内協議4日目となった21日夕、前原氏の側近、小川淳也氏は衆院議員会館の元代表の事務所を訪れた。会談は約1時間半。関係者によると「前原氏側が元代表が譲歩できる妥協点を探った」。元代表が逆に前原氏側に増税の阻止に向けた連携が可能か探りを入れたとの見方もある。

消費増税法案の調整を頓挫させ、法案を事実上葬り去る。それはすなわち「野田降ろし」になる。その後の党代表選では前原氏擁立の可能性も排除しない。元代表の動きからはそんな戦略も透けて見える。

ただ、法案の閣議決定ができなければ、党内調整を任された前原氏自身に傷が付く。接触が実を結ぶことはなかった。

日経電子版が最長2月末まで無料!
初割は1/24締切!無料期間中の解約OK!

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]