2018年11月14日(水)

日ロ首脳、領土交渉を加速 経済テコに関係強化

2013/4/30付
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【モスクワ=佐藤賢】ロシアを公式訪問中の安倍晋三首相は29日、クレムリンでプーチン大統領と約3時間20分間会談した。停滞している北方領土交渉の再開を盛り込んだ共同声明を発表。解決策づくりの交渉を加速させるようそれぞれの外務省に指示することで一致した。外務・防衛担当閣僚級協議(2プラス2)や極東開発に向けた官民協議の創設でも合意した。

首脳会談後、共同記者会見する安倍首相とロシアのプーチン大統領(29日、モスクワのクレムリン)=共同

会談後の記者会見でプーチン氏は平和条約交渉について「私たちが真にこの問題を解決したい。環境の整備が必要で、信頼醸成が重要だ」と指摘。「経済協力がこのプロセスに最も良い役割を果たすことができる」と述べた。首相は「交渉の再スタートで合意したのは大きな成果だ。この問題に直接取り組み、解決に向けて全力を挙げる」と強調した。

両国の共同声明は2003年に当時の小泉純一郎首相とプーチン大統領がまとめて以来、10年ぶり。日本政府はこれまでの日ロ間の合意文書を踏まえ「北方四島(択捉島、国後島、歯舞群島、色丹島)の帰属の問題を解決して平和条約を締結する」ことを基本方針としている。

今回の声明では「第2次世界大戦後67年を経て日ロ平和条約が締結されていない状態は異常であるという認識で一致」と明記。「両首脳の議論に付すため双方に受け入れ可能な解決策」を両国の外務省で検討する。

ただ、安倍首相は記者会見で「困難な問題を一気に解決する魔法のつえは存在しない。双方の立場の隔たりは大きい」との認識を表明。プーチン氏も「あした解決するのはあり得ないが、作業を進めて重要な問題を解決すると期待している」と述べるにとどめた。交渉進展のハードルは高い。

立ち上げで合意した外務・防衛担当閣僚級協議の枠組みは日本にとって米国、オーストラリアに続く3カ国目になる。自衛隊とロシア軍の防衛交流拡大や、テロ・海賊対策を含む新しい協力分野を模索する方針も打ち出した。日本外務省とロシア安全保障会議事務局は定期協議を始める。

首脳が定期的に相互訪問するほか、外相が少なくとも年に1回、相互に訪れる。首相は14年中のプーチン氏の訪日を招請し、プーチン氏は謝意を示した。

日ロはそれぞれ相手国に文化交流の拠点になる「文化センター」を設置する。北朝鮮問題では「核兵器・弾道ミサイル製造を放棄しない行為を非難し、国連安全保障理事会決議6カ国協議の共同声明の順守を強く要求する」ことで一致した。

経済協力については、日本企業の投資を促すため国際協力銀行(JBIC)やロシア政府系の投資ファンドが出資する「日ロ投資プラットフォーム」の設立で合意。医療や農業分野での協力拡大も確認した。

首脳会談に合わせ、日ロ両政府は資金洗浄(マネーロンダリング)対策での連携強化や、北極海航路の利用を含む運輸分野での協力などの協定に署名する。

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