建設労働者の賃金引き上げ要請 国交省
国土交通省は29日、建設労働者への賃金を引き上げるようゼネコンなどの建設業者に要請すると発表した。国などが公共事業の発注額を決める際に参考にする労働者の標準賃金である「公共工事設計労務単価」も、2013年度から全国平均で前年度比約15%上げる。待遇を改善し、建設現場での職人不足を解消するのが狙いだ。
同省は29日付で建設業界団体に通知を出す。とび職や塗装工、溶接工など職人の賃金を引き上げるよう求める。職人不足が顕著な岩手、宮城、福島県の公共工事設計労務単価は平均で約21%上げる。自治体にも労務費の上昇に応じた金額で公共事業を発注するよう求める。
公共事業の削減を受けて、建設投資は1992年度の80兆円超から11年度には約半分に落ち込み、建設労働者数も約2割減少した。東日本大震災後には、被災地を中心に労働者が不足し、復興の障害となっていた。