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日印、レアアース開発で協力 外相戦略対話

原子力協定の交渉継続

(更新)

玄葉光一郎外相は29日、外務省の飯倉公館でインドのクリシュナ外相と戦略対話を開いた。自動車やIT(情報技術)製品の生産に欠かせないレアアース(希土類)の共同開発推進に向けた協力で一致し、日本からの原子力発電所輸出の前提となる日印原子力協定の交渉継続を合意した。海上防衛など安全保障分野の連携も申し合わせた。野田佳彦首相の早期のインド訪問も確認した。

会談を前に握手する玄葉外相(右)とインドのクリシュナ外相(29日午前、東京都港区の飯倉公館)

玄葉外相は戦略対話の冒頭「日本とインドは経済、安全保障を含めて、幅広い協力を強化しないといけない関係だ」と強調した。

戦略対話では、レアアース開発の推進で一致した。両国は2010年10月の首脳会談で開発協力の促進で合意。豊田通商とインドの政府系資源開発会社などが事業内容を詰めている。両政府が開発計画を推進する姿勢を打ち出すことで、事業の具体化を後押しする。

日印で共同開発に乗り出すのは、中国での10年夏からの生産・輸出制限による価格高騰が背景にある。経済産業省によると、今年9月の酸化セリウムの価格は1キログラムあたり79ドルと、10年4月に比べ16倍に上昇。ネオジムも同8倍に跳ね上がった。日本はレアアース輸入量の8割を中国に依存しており、供給国の多様化が課題になっていた。

レアアースの生産量は世界の97%を占める中国が圧倒的だが、インドは2%で2位につけ、埋蔵量も世界4位と潜在力がある。ハードディスク基板研磨剤などに使うセリウムや光学ガラス用のランタン、次世代自動車のモーター用磁石の原料になるネオジムなどを埋蔵しているとされる。インドに続き、政府は31日の日越首脳会談でベトナムでのレアアース共同開発計画に合意し、中国以外の供給源確保を急ぐ。

日印原子力協定は交渉進展に向け、実務レベルの協議加速で合意した。同協定の交渉は同6月に始まったが、東日本大震災の影響で同11月を最後に中断した。年内にも再開する4回目の交渉には、双方の外務省などの担当者が参加する。12年中の署名を目指す。

両政府が7月に交渉を始めた日印社会保障協定は早期の妥結へ交渉加速を申し合わせた。現地で働く駐在員らが日本とインドで二重に年金の保険料を払う事態を解消し、進出企業の負担を軽くする狙い。

デリーとムンバイ間でインフラ整備などを進める「産業大動脈構想」や、貨物専用鉄道建設計画の協力強化でも一致した。

安保分野では、インド洋を含むシーレーン(海上輸送路)防衛の連携を確認した。クリシュナ外相は日本の海上自衛隊とインド海軍との共同訓練を提案、詳細は11月上旬に都内で開く日印国防相会談で詰める。11月にインドネシアで開く東アジア首脳会議(サミット)を念頭に、海洋安全保障の重要性についても一致した。

日印外相の戦略対話は10年8月以来で、今回が5回目になる。クリシュナ氏は午後に野田首相とも首相公邸で会談する。

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