2019年1月16日(水)

国・地方の債務、60年度GDP比4倍 財制審試算

2014/4/28付
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財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の財政制度分科会は28日、国と地方の債務の膨張に歯止めをかけるために必要な試算を公表した。膨らみ続ける債務を2060年度に現行水準の国内総生産(GDP)比2倍に抑えるには、厳しい収支改善を求められる現状が浮き彫りになった。ただ、早めに手を打てば改善幅は小さくできると指摘している。

試算は欧州委員会の手法を参考に、財制審の委員で中央大の富田俊基教授らが中心となってまとめた。内閣府の中長期試算にない24年度以降に、実質2%・名目3%の経済成長率、3.7%の名目長期金利、1%の物価上昇率などが続くとの前提ではじき出した。

試算では国と地方の債務が60年度にGDP比で397.3%(約4倍)まで膨らむとした。20年度に国と地方の基礎的財政収支を黒字化させる政府の財政健全化目標の達成を前提とする。国と地方の債務は今すでにGDPの200%を超える。

60年度に200%まで抑えるには、国・地方で21年度の1年間でGDP比4.31%の収支改善が必要だとした。21年度のGDPは639.9兆円になる計算で、金額にすると27.6兆円。消費税で約8%分にあたる。

歳出入の改革が遅れ、21~26年度まで6年間かける場合は、GDP比4.64%と必要な改善幅は大きくなる。少子高齢化の進行で社会保障費が膨らみ続けるため、収支改善が遅れれば、それだけ国債の利払い費などがかさむためだ。

一方で、現行制度をそのまま続け、20年度に国と地方で黒字化目標も達成できなければ、21年度の1年間でGDP比7.78%も収支改善が必要になる。この場合は金額で49.8兆円。消費税で約15%分になる。

21~26年度まで6年間かければ、GDP比8.37%まで改善幅はさらに広がるとした。

国の一般会計だけ見れば、14年度の当初予算で収支は13年度から5兆円ほど改善した。14年度のGDPは推計で約500兆円で、GDP比では1%の改善にすぎない。GDP比で4~8%という数字がいかに厳しいかが分かる。

実質1%・名目2%と成長率を低く見た場合も試算したが、この場合は6.39~10.77%と必要な収支改善幅は大きくなっている。

財制審の委員でBNPパリバ証券の中空麻奈投資調査本部長は試算結果の説明を受けて「税収など歳入は今後もそうは増えない。収支改善は歳出を切り詰めてからで、優先順位としてはまず社会保障だ」と語った。

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