2019年9月17日(火)

番号制度の大綱案決定 共通番号、年金や税務など6分野に適用

2011/6/29付
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政府の社会保障・税の番号制度に関する実務検討会(座長・与謝野馨経済財政担当相)は28日、番号制度の大綱案を決めた。国民一人ひとりに年金や税務など6分野に共通する番号を割り振り、年金や医療サービスの利用実績、納税実態など個人の社会保障給付と所得の両面を一体管理する。確定申告や法定調書など税務書類に番号を記載し、当局が所得を捕捉しやすくする。

大綱案は個人情報が流出しないように第三者機関による監視も盛り込んだ。ただ導入そのものに異論があるほか、使い方をめぐる議論も収束していないため、実現はまだ不透明だ。

政府・与党は番号制度を含めた社会保障制度改革の意思決定機関である「社会保障改革検討本部」を近く開き、正式決定する。そのうえで政府は大綱を閣議決定し、関連法案を秋に想定される臨時国会への提出をめざす。2015年1月の導入を想定している。

番号制度の狙いは、どんな所得層の国民がどんな社会保障サービスを受けているのかを一元的に管理すること。大綱案は「社会保障や税の分野で透明性を高めることが(制度の)信頼性を高めるうえで重要」と指摘した。

具体的には、住民基本台帳ネットワークを踏まえて国民一人ひとりに番号を割り振る。そのうえで自治体は書面で番号を住民に通知する。健康保険証や年金手帳、介護保険証の機能をまとめたICカードも配布する。

年金分野では、保険料を納めた記録の確認や、高齢者になってから年金をもらう際の手続きに番号が必要となる。同じ番号を失業給付の受給や、ひとり親家庭が受け取る児童扶養手当の申請といった幅広い社会保障分野の手続きでも使う。

この結果、例えば世帯が医療や介護、保育などでいくら負担しているのかが簡単に合算できる。確定申告など税務に使う番号も共通化するため、その世帯の所得も同時にわかる。低所得者の世帯の負担合計に上限を設ける「総合合算制度」(仮称)が導入しやすくなる。

番号は公的な証明書としても通用する。大震災の際に被災者生活再建支援金などを申請する場合、番号があれば証明書などの添付書類が不要になる。被災者が預金通帳をなくした場合も、番号を利用すれば金融機関から預金を引き出せるようにする。

さまざまな手続き書類が不要となるため、行政の事務手続きが簡略化でき、「国民の利便が高まるとともにコストも削減できる」と大綱案は説明する。似たような仕組みはオーストリアや韓国、米国など海外で幅広く採用されている。

ただ番号の不正利用や、個人情報流出への懸念も強いことから、大綱では首相の下に個人情報の保護などを目的とした委員会の設置を明記した。個人情報の取り扱いに関する苦情処理や、問題の発見・調査にあたる。

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