2019年7月24日(水)

低所得者対策、ようやく議論始まる 政府税調

2012/5/29付
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政府税制調査会は28日、学識者らで構成する専門家委員会(委員長・神野直彦東大名誉教授)の会合を開き、政府が消費増税後に導入を計画する低所得層への税額控除と給付の具体策について議論を始めた。厚生労働省も同日、医療や介護などで低所得層の負担を抑える制度の議論に着手した。消費増税関連法案は国会審議が始まっている。増税への理解に欠かせない支援策の議論はようやく始まった段階だ。

専門家委員会は低所得層を対象に「給付付き税額控除」の詳細を議論する。28日の会合では財務省が、制度の検討に至るまでの政府内での議論や、海外での導入事例などを委員に説明した。

給付付き税額控除は所得税額を控除し、控除しきれない分を現金で給付する仕組み。低所得層に的を絞って支援できる。対象となる低所得層を特定するには社会保障と税の共通番号制度が必要とされ、本格導入は番号制度が定着する2017年ごろとみられている。

課題の一つが所得の把握だ。会合後に会見した神野委員長は「多くの国民に申告納税をしてもらわなければならないようなこと」と語った。日本の所得税は源泉徴収が基本。2カ所から給与をもらったり、不動産の賃貸収入があったりする人の所得をつかむのは難しい。番号制度があれば所得を把握できるかどうかは、識者でも疑問視する声がある。

会合で配られた資料では、欧米で導入されている給付付き税額控除の多くは就労や子育てを支援する政策と位置付けた。日本の消費税にあたる付加価値税の負担軽減を目的とするのはカナダぐらい。政策の目的を含めて詳細な議論がいるが、今後については「これから勉強する」(神野委員長)という段階だ。

給付付き税額控除は民主党の作業部会でも議論が始まっている。これまでに学識者のヒアリングを進め、今後は論点の整理に入る。しかし、給付付き税額控除の前に予定している現金の給付措置は対象や額、財源を詰めていない。ばらまきにつながるとの批判も強い。

野党は国会審議している消費増税関連法案について、「今後の検討事項が多すぎる」と批判する。遅れ気味の低所得層対策は、今後の法案審議でも火種になりそうだ。

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