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柏崎刈羽原発、新潟県と規制委の対立再燃も

原子力規制委員会は28日、東京電力の柏崎刈羽原子力発電所6、7号機(新潟県)の審査会合を開いた。フィルター付きベント(排気)装置の運用開始に新潟県の了解が必要となる点に懸念が示され、県と規制委の対立が再燃しかねない情勢だ。敷地内の断層で大規模な追加調査が必要になる可能性があり、再稼働までの道の険しさが改めて浮き彫りになった。

「運用手順そのものが変更される可能性がある。審査に入れるか懸念を持たざるを得ない」

会合で規制委の関心が集中したのは排気装置だ。更田豊志委員は排気装置の運用手順が地元との協議で変更される可能性がないかどうかを、今後の審査で集中的にただしていく方針を示した。

柏崎刈羽は沸騰水型軽水炉(BWR)というタイプで、原子炉を覆う格納容器の容積が小さい。事故で内部に蒸気がたまると壊れやすくなるため、いざというとき蒸気を外に逃がすための排気装置が必要だ。

排気装置を利用しても微量の放射性物質が外部に放出されるため、新潟県は住民避難計画と整合性がとれなくなる事態を懸念。泉田裕彦知事は審査の申請にあたり、規制委の審査に合格しても県知事が了解するまでは運用を開始しないよう東電に条件をつけていた。

ただ、規制委は、県と東電の協議で排気装置の運用方針が途中で変わって審査がやり直しになる事態を懸念している。田中俊一委員長は27日の会見で「地元が安全規制をやることはあり得ない」「(県の事前了解を)前提条件として我々が認可することはたぶんない」と不快感を示した。

規制委と泉田知事の関係は以前から険悪だった。原発の安全対策に注文をつけようと泉田知事が委員長へ面会を求め続けているのに対し、政治と距離を置こうと規制委は断り続けているためだ。泉田知事は28日の記者会見でも「面談を拒むことは委員長として失格」と批判した。

東電にとって審査に合格するには規制委の注文を聞かないわけにはいかない。かといって新潟県をないがしろにすれば、審査の合格後に再稼働の同意を得るのが難しくなってしまう。規制委と新潟県の対立が激しくなれば、双方からの注文を受ける東電が板挟みになり、審査が進みにくくなる事態になりかねない。

28日の規制委の会合では敷地内の断層問題でも厳しい指摘があった。柏崎刈羽は7号機まであり、全号機の重要施設の直下に断層が走る。東電は「20万年前以降は動いておらず、活断層ではない」と主張しているものの、島崎邦彦委員長代理は「データが十分かどうか、まず現地調査が必要」と指摘した。

規制委は年明けにも現地に職員を派遣し、どのような追加調査が必要かの確認作業に入る。トレンチ(試掘溝)を掘るなどの大規模な追加調査が必要と判断されれば「早くて半年」とされる審査期間が数カ月単位で延びる可能性も出てきた。

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