2018年1月24日(水)

厚年基金の3分の2に天下り、旧社保庁OBら
厚労省調査

2012/3/28付
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 厚生労働省は28日、全体の3分の2にあたる366の厚生年金基金に、旧社会保険庁(現日本年金機構)OBら国家公務員が役員として天下りしていたと発表した。天下りした国家公務員OBの総数は721人だった。また、厚年基金で運用を担当する役職員の9割が資産運用業務の経験がないこともわかった。

 厚労省はAIJ投資顧問による年金消失問題を受けて省内に対策本部を立ち上げ、厚年基金の天下りや資産運用体制の実態調査を進めていた。調査は3月1日時点で、全国にある581基金が対象。回答は579基金だった。

 長妻昭元厚労相が2010年9月に、役員任期が切れる際は公募するように厚年基金に要請していたが、公募を実施したのは37基金にとどまった。天下り役員を減らすために、小宮山洋子厚労相は30日付で公募を徹底するように各基金に改めて要請する。

 調査では厚年基金の脆弱な資産運用体制も明らかになった。運用担当役職員のうち、証券アナリストやファイナンシャルプランナーなどの資格を持つ人は2%で、9割は資産運用業務の経験がなかった。天下りした国家公務員などのOB、402人が基金の資産運用を担当していた。

 運用機関の選定では、運用実績を重視とした基金が4割と最も多かった。運用プロセスやリスク管理の方法を重視する基金は1~2割程度にとどまり、高い利回りをうたう運用機関に飛びつきやすい傾向がうかがえる。

 厚労省は調査結果を踏まえ、4月に有識者会議を立ち上げ、厚年基金の資産運用体制の強化策を話し合う。厚年基金の財政改善策も検討するが、記者会見した辻泰弘副大臣は、「厚年基金の損失を厚生年金保険料や国費で穴埋めすることは不適切だ」と強調した。

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