5月の消費者物価、横ばい 7カ月ぶりマイナス脱却

2013/6/28付
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総務省が28日発表した5月の全国消費者物価指数(CPI、2010年=100)は値動きが激しい生鮮食品を除くベースで100.0となり、前年同月に比べて横ばいだった。前月と比べて0.4ポイント改善し、12年10月以来、7カ月ぶりに物価が下がらなかった。電気代の値上がりが大きいが、薄型テレビなどの値下がり幅が縮小し、物価下落の動きを弱めている。

全国の動きに先行する東京都区部の6月中間速報値は、生鮮食品を除くベースで前年同月比0.2%の上昇。前月に比べ0.1ポイント上がり、2カ月続けて物価が上がった。電気代が指数を0.44ポイント押し上げている。5月に値上がりだったテレビは6月速報では9.0%の値下がりだった。総務省は物価の動きについて「一部に変化が出てきている」としている。

5月の全国の指数を品目別に見ると、電気代が前年同月に比べて8.8%上がり、指数全体を0.3ポイント押し上げる要因となった。総務省によると燃料費の上昇のほか、関西電力と九州電力による値上げを反映している。ガソリンは0.9%の値下がりだった。

エネルギー以外の主要品目を見ると、値下がりは続くものの、値下がり幅が小さくなるものが出始めた。テレビは前年同月比9.6%の低下だが、下落率は前月に比べて6.8ポイント縮小。テレビを含む「教養娯楽用耐久財」は値下がりが和らいだことで、CPIを前月に比べて0.08ポイント上げる要因となった。外国パック旅行は0.7%上昇した。

今後の消費者物価は全国でもプラスに転じる可能性が高い。電気代の上昇が続くほか、夏場にかけてガソリン代が前年の水準を上回る公算が大きい。円安による輸入品の値上がりも物価上昇につながる。

焦点は値上がりの動きが日用品や耐久消費財に広がるかどうか。大きな物価下落が続いたデジタル家電やパソコンは値下がり幅が縮小したり、一部で値上がりしたりしているが、需要が大きく回復しているわけではない。5月の全国CPIも食料(酒類を除く)とエネルギーを除くベースでは前年同月に比べて0.4%の下落で、物価にはまだ下落圧力が根強く残っている。

夏の賞与や残業代の増加など、所得が上向く兆しが出ている。賃金の上昇を伴う景気の改善が年内に強まるかどうかは、来年4月に予定する消費増税後の景気を大きく左右しそうだ。

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