失業率、横ばいの4.6% 3月、就業者数は46万人減
東北3県は反映せず

総務省が28日発表した3月の完全失業率(季節調整値)は4.6%となり、前月に比べ横ばいとなった。就業者数が前月に比べ46万人減り、雇用情勢の改善に足止め感が出ている。厚生労働省が同日発表した有効求人倍率は前月と比べ0.01ポイント高い0.63倍となる一方、雇用の先行指数となる新規求人数は前月比7.1%減となった。労働市場にも東日本大震災の影響が出ている。
細川律夫厚生労働相は同日の閣議後記者会見で労働市場の現況について「4月(の結果)は3月より悪くなるのではとの懸念がある」と雇用の悪化を予測。厚労省として雇用対策に全力を挙げる考えを示した。
完全失業率などを示す労働力調査は3月から被災地の岩手、宮城、福島の3県で実施が困難な状況のため、当面、被災3県を除いた値で結果を公表する。3県の調査対象が全国に占める割合は5%と小さい。ただ、今後の労働力調査で被災地の雇用情勢がうまく反映されない可能性はある。
3月の就業者数は5983万人となり、前の月に比べて0.8%減少した。働く人が減ったのは4カ月ぶりで、落ち込み幅は2009年3月以来の大きさだ。一方で非労働力人口は4278万人と前月比1.1%増えた。雇用情勢の悪化から職探しをあきらめた人が増えている可能性がある。
ハローワークで仕事を探す人のうち、1人あたり平均何件の求人があるかを示す有効求人倍率は11カ月連続で改善した。ただ、雇用の先行指数となる新規求人数は09年2月以来となる悪化幅となった。
同日発表した2010年度平均の完全失業率(被災3県除く)は5.0%となり、前年度に比べ0.1ポイント低下となった。完全失業者数は312万人と前年度に比べ13万人減った。有効求人倍率は0.56倍と前の年度に比べ0.11ポイント上昇した。