高齢者向け訪問診療、撤退・交代155件 報酬減額で

2014/7/5付
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厚生労働省が高齢者向けの施設・集合住宅への訪問診療の報酬を4月から従来に比べ約7割引き下げたところ、155カ所で医師の撤退や交代が起きたことが関係団体の調べでわかった。調査対象の8.8%にあたる。5割近い867の施設・住宅では例外措置を使って従来並みの報酬を確保しているが、入居者の利便性低下で今後見直しが議論になりそうだ。

調査は5月下旬から6月10日にかけ、全国特定施設事業者協議会やサービス付き高齢者向け住宅協会など4団体が実施した。入居者の必要に応じて介護サービスが使える有料老人ホームなどの施設や集合住宅、計1764カ所を対象に調べた。

患者1人あたりで月に最大5万円程度だった訪問診療料を、厚労省は4月に実施した診療報酬改定で、同じ日に同じ建物で複数の患者を診察した場合は7割減額するとした。

多くの患者を短時間で手早く診察するといった不適切な例を改めるねらいだったが、報酬減で人件費がまかなえなくなった医師の撤退が続出。入居者にも不便がかかるとの不満が施設業者から出ていた。

月2回の訪問診療のうち、同じ日に患者をまとめて診るのを1回に抑え、残りは患者ごとに診察の日をずらせば、報酬を従来並みにできるとの例外措置もある。

しかし「医師の訪問が不規則で連携が難しい」「緊急時の往診が減った」などの使い勝手の悪さを訴える施設・住宅が3~6割にのぼる。厚労省の対応は在宅医療・介護を進める国の政策に逆行するとの声も出ている。

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